1975年島根県生まれ
2001年陶芸をはじめる(父・安部宏に師事)
2010年独立、現在は島根県松江市にて制作
Q.1. 今回のテーマに込めた思いを教えてください。
テーマ:「Art of pottery」
器としての機能を大切にしながら、人それぞれの情感に響くような空気感を持たせたいという思いで制作しています。
Q.2. 当日はどのようなディスプレイで楽しませてくれますか?
僕は”作品全体に情感に訴えるような空気感を持たせる”ことを深めてきましたので、 久しぶりのもみじ市で皆様にそれを見て頂いて、音楽が聴こえるとか、懐かしいとか、それぞれの感じ方で受け取って頂きたいと思います。
Q.3. もみじ市へお越しくださる皆さまへメッセージをお願いします。
もみじ市への参加は久しぶりでなので、またあの空気感を皆さんと共有できると思うととても楽しみです。 僕の作品を知っているというお客様も、今回はじめて僕の作品に触れるというお客様も、直接お話しできる良い機会ですので、感想や聞きたいこと、遠慮なくお声かけ頂けたら嬉しいです。
「あなたにとって美しいものって何ですか?」
安部さんの器を見ていると、そう問いかけてくるような気がする。
私が、かつて手に入れた安部さんの花器は、手紙舎の店中でも特別な存在感を放つ。
だから、どこに置くか、何を生けるか、試されている気がする。私は、この器には花屋で買ってきた花よりも、そこらで摘んで来た草花が似合うと思っている。だから今日は、野川の畔に咲いていた、曼珠沙華の花を生けてみた。
何も生けてない時でさえ、安部さんの器は、その風景にまるで異国のような空気感をもたらす。だから、そのまま置いておくこともある。
安部太一さんにも、同じ質問をしてみた。
—-安部さんにとって『美しいもの』ってなんですか?
「自然の中に美しいと感じるものが多いなと思います。植物の葉、花、果実、それらの形や色、曲線や直線。動物の体の作りなども。」
—-作品の色、形を作る際に、どのようなものからインスピレーションを受けていますか?
「古い宗教画や、モランディ、有元利夫、他にも好きな画家はたくさんいますが、静けさや情感のある絵画が特に好きで、そういう空気感を陶芸で作れないかと思っています。 アイテム、形、大きさなど具体的な部分は、やはり自分の生活の中で生まれてくることが多いです。」
今回のもみじ市では、新しい作品もご用意してくれるという。
それは、写真左から4つ目の、直火にかけられる黒いピッチャー。
「白湯を沸かしたり、ミルクティを作ったりします。 たくさんの量を作るより、カップに一杯ともう少し。 自分のために作る、そんなイメージの直火ピッチャーです。」
3年ぶりにもみじ市に参加してくれる安部さんの作品は、さらに美しさと深みを増していることだろう。今から楽しみでならない。