【nuri candleプロフィール】
福岡出身のキャンドル作家・nuri candleのnuriさんこと福間乃梨子さん。岐阜で修行し、京都での作家活動を経て、現在は地元福岡のアトリエで制作中。キャンドルに込められているのは自然から受けたインスピレーション。そして、nuri candleといえばアロマキャンドル。nuriさんの手によってブレンドされたアロマの香りにも、心がほぐされていきます。年々進化する動植物のモチーフと手彩色による豊かな色彩。使うのがもったいない! という気持ちを振り切って火を灯してみると、一瞬時間が止まったような感覚に陥ります。空間をじんわりと支配するアロマキャンドルに、あなたも全身の感覚を預けてみてください。
http://nuricandle.com/
norioはんこ店
【norioはんこ店プロフィール】
1981年生まれ。京都精華大学にて日本画を学ぶ。2005年より雑貨店やカフェなどをベースに“その場でオーダーを受けハンコを制作する”というスタイルで活動を始める。これまでに手がけたハンコはなんと2万個をゆうに超え、中には、「結婚記念に」、「こどもが生まれた記念に」、と人生の節目や、家族の歴史を残すためにnorioさんの元を訪れる方も。現在は、手紙舎鎌倉店でも月に1度、ハンコのオーダー会を開催しています。norioさんが手掛けたハンコは、押す度にnorioさんとのやりとりが甦り、誰かに見せる度に「このハンコはね……」と話したくなる、人とのつながりに彩りを添える力を持っていますよ。
http://www.noriohanko.com/
noriyukiwatanabe
【noriyukiwatanabeプロフィール】
しんっと静まった空間にポツンと浮かぶ船。古材、針金、錆びトタンを使用して作られたその船に目を奪われた。特別豪勢なわけではない。はたまた洗練されたデザインなわけでもない。しかし、無骨ながらも作る人のエネルギーを感じることのできる作品に魅了されたのである。noriyukiwatanabeの作品は、奇を衒うところがなくシンプルだ。それ故に、見る人によって受け取り方が変わる。それは、小さい頃にみた船舶かもしれないし、現在あなたの住む家かもしれない。現実的なのにどこか空想的な作品にきっとあなたも惹かれることだろう。
https://www.noriyukiwatanabe.info/
Instagram:@_noriyukiwatanabe_
HammockRefle Kikuya
【HammockRefle Kikuyaプロフィール】
マッサージが好きで、今までさまざまなマッサージに癒されてきた。しかし、生まれてこの方、ハンモックというものに乗ったことのない私にとっては、ハンモックに乗ってマッサージされることがいかに気持ちの良いかを知らなかった。2019年7月、HammockRefle Kikuyaに足を運び、初めて施術を受けた。代表である菊川太さんの指の動きに合わせて沈むハンモック。予想以上に乗りごごちが良い。気を抜けば目が閉じてしまいそうな、その心地よさにすっかり虜になってしまった。日常の疲れを癒してくれる非日常な空間。ぜひ一度体験してみてください。
http://www.hammockrefle.com/
Instagram:@hammockrefle
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もみじ市 in mado cafe,出店者紹介,ジャンル:CRAFT
はしもとみお
【はしもとみおプロフィール】
木という素材から生まれていることを思わず忘れてしまうほど、生き生きとした瞳を持つ動物たち。生きものの愛らしく伸び伸びとした姿がリアルに表現された作品を目の当たりにすれば、きっと誰もが「今にも動き出すのでは」と考えてしまうはず。特定のモデルがいるという彫刻家・はしもとみおさんの作品には、どれもはしもとさんの動物への愛が込められ、魂が宿っているかのようです。今年のもみじ市では、どんな仲間たちに出会えるのでしょうか。他の誰にも真似できない特別な彫刻の数々との出会いを、どうぞお楽しみに!
http://kirinsan.awk.jp
Instagram:@hashimotomio
鈴木農園 カラフル野菜
【鈴木農園 カラフル野菜プロフィール】
立川市西砂町で鈴木さん一家が4代に渡り営む鈴木農園。化学肥料や農薬を使わず、誰もが安心して食べられる有機野菜を育てています。毎週2日間、開かれる鈴木農園の直売所には「野菜にはこんなにも色が溢れているのか」と眼を見張るほどの、色とりどりに輝く野菜がずらり。そしてひとたび、口にすれば「野菜本来の甘み、苦味、歯ごたえって、こんなにもしっかりしているのか」と驚かされます。ただいま、鈴木農園では秋の収穫に向けて、カラフル系サラダ野菜になるイタリアやフランスなどの海外品種もスクスクと成長中。もみじ市に届く畑の恵みをお楽しみに!
【鈴木農園・6代目鈴木富善の年表・YEARS】
【鈴木農園カラフル野菜・鈴木富善さんインタビュー】
東京都立川市、鈴木農園の周りの空は東京とは思えないほど広くのどかです。駅からの道のり、角を曲がると見えるのは、大きな大きなケヤキとモミジの木。そこだけぽっかりと森が残っているような佇まいの空間に、鈴木農園はあります。残暑の日差しさえ、和らげてくれる木立のもとで、鈴木農園の6代目、鈴木富善さんにお話を伺ってきました。
富善さんが6代目になるまで
ーーー早速、年表を拝見しながらお話させていただければと思います。富善さんは農家の長男として生まれ、すんなり6代目に納まられたのかと思っていました。中でもこの農業専門の高校卒業後の美容師とは、驚きました。
鈴木:そう、全くすんなりじゃないんですよ。高校は農業科があるところへ進学し、卒業後は農業の道へ……。と思いきや、当時ものすごく流行ったんですよね、“カリスマ美容師”って言葉が。それに惹かれてしまって。美容師専門学校へ進学しました。国家資格も取得したので、当時特訓したカラーリングもロッドの巻き方もまだ覚えていますよ(笑)。でもやっぱりカリスマへの道は厳しくで数年働くものの、カリスマ美容師を断念。で、実家の畑でコンバインを運転しているところを、土木作業の会社の人にスカウトされたんです。コンバインが操作できるなら、土木作業の機械もなんなく操作できるだろう、って思われたみたいで。
ーーースカウトの場が畑だったとは。土木と聞くと道路工事のようなイメージもありますが。
鈴木:土木作業と言っても、僕が携わったのは道路などではなくグラウンドの整備でした。テニスコートや野球のグラウンドを作りましたよ。で、なんでその道から家業へ、となったかと言うと、継がないかって言われちゃったんですよね。土木作業の方を(笑)。
ーーーなんと、土木作業の方を継ぐ話が出たとは!
鈴木:もういい歳だったし、結婚も考えていたこともあり、その話をきっかけに土木作業の道ではなく、やはり家業の農業を継ごうと決意しました。
自然農の道へ。鈴木農園の一大転機
ーーー富善さんが家業に戻られる前、90年代後半に鈴木農園にも大きな転機があったようですね
鈴木:元々うちは、いわゆる一般的な農家でした。化学肥料や農薬を使って、市場の規格に合った野菜を大量に作る農家。そんな中、母が「天然酵母を使い、石窯で焼いたパンを作りたい」と一念発起し、ゼルゴバというパン屋を始めたんです。人工のイースト菌と比べると複数種類の微生物が元となる天然酵母はコントロールしにくく、扱いが難しいのですが、その分、自然と調和をしたものですよね。そんな天然酵母のパンを求めて、ゼルゴバに多くのお客さんが来てくれるようになった頃、父の心境にも変化が訪れました。食べる人の身体を思いやるパンを作っているすぐ裏の畑で、日常的に薬品を使い、野菜作りをすることに違和感が生まれたんです。そこから「薬品で管理して生まれる姿かたちが揃った大量の野菜ではなく、作り手にも環境(地球)にも作る側にも食べる側にも本当に喜ばれるもの、安心して口にしてもらえるものを作りたい」という想いが、鈴木農園の一大転機に繋がりました。
ーーーとは言っても自然農に切り替えるのは一朝一夕には実現できないことですよね。
鈴木:当時、父は周りの農家の方々に「そんなの無茶だ」、「できるわけがない」と言われたようです。でも父は「結果を出せば伝わる」と、ひたむきに畑と向き合っていましたね。土から全く薬品成分が検出されなくなるまでは、数年がかりでした。
ーーーパン作りが鈴木農園さんの農業を変えたんですね
鈴木:そうなんです。母がパン屋を始めると言ったときにも驚きましたが、父が農業の方向転換をすると決心したときも、すごく驚きました。その後 作った野菜を直接お客さんに届ける場として直売所を設けました。地域の方に親しみを持ってもらえるようになるのと合わせて、農園としての自然農への転換が少しずつ注目されるようにもなって、雑誌やTVの取材を受けるようにもなりましたね。今もマルシェとして週に2度オープンしていますが、地元の一般の方も、飲食店の方も買い求めてくれて、本当に嬉しい場です。
ーーーその後、富善さんが6代目として返り咲かれて、“カラフル野菜”と言う新たな転機があったんですね。
鈴木:一番最初に作ったのはスイスチャードでした。元々は、ヨーロッパの野菜で、ほうれん草の代わりに使われることもあります。葉っぱが緑で、茎の部分が白いものもあるんですよ。茎の部分が赤、ピンク、白、黄色と、「野菜にこんなに鮮やかな色があるのか」と驚かれる代表選手のような野菜かもしれません。インターネットで海外品種をあれこれ目にするようになったこともあり、種を取り寄せて試すようになりました。
ーーーお客さんにとっても、鈴木農園のマルシェで初めて目にして、手にする野菜も多そうですね。
鈴木:そうですね。スーパーにはまず並ばない野菜を育てているので、一般の家庭で「え!? どうやって調理するの?」と思われることも多いかもしれないですね。そんな方には、「これは肉と煮込むといいですよ」とか「これは生でそのままサラダに」なんて積極的にお伝えしています。ただ、僕自身は実はあまり野菜好きではなくて……。なんてこんなこと言ったらダメですかね(笑)。
ーーー富善さんが野菜嫌いだなんて……! こんな宝石のような野菜が身近に、と言うか、自らの手で育て上げているのにギャップが大きすぎです(笑)。
鈴木:でも、お薦めの食べ方は色々調べて説明できるようにしてるんですよ。料理のお客さんに野菜を知ってもらうことも楽しいですが、一番はタネをまいて芽が出た瞬間もテンションが上がります。特に、海外の野菜は、現地と気候も土が異なるので、育てるのが手探りなこともあります。だからこそ芽が出た瞬間はとても嬉しいですね。
鈴木農園ともみじ市と
ーーーもみじ市(初回は、花市と春開催のイベント)には、第2回から出店くださっていますね。
鈴木:狛江のお寺の境内で開催したときだったでしょうか。初回から感じたのが、人を集める力。どこからこんなにも人が来ているのだろうかって圧倒されました。出店されてる方々の作品の展示の仕方など、見せ方もすごく刺激になりました。
ーーー鈴木農園さんが主催で開催しているイベント、「1日だけのレストラン」は、手紙社のイベントに影響を受けて始まったと聞きました。
鈴木:そうですよ! 始めたきっかけは、ほぼほぼ、手紙社さんの影響です。もみじ市とは別のイベント、調布駅前で開催したGOOD FOOD MARKETにも何度も出店していて、「こういったことを自分たちでもやってみたい。できないだろうか」と思い始めたんです。考えた末に、立川やその周辺のご縁のあった飲食店をお呼びして、鈴木農園の敷地で開催にこぎつけました。
ーーー開催してみていかがでしたか?
鈴木:初回は、やはりどんなイベントなのかイメージしてもらうのが難しくて出店数も少なかったんです。出店をする形式が初めてな方も大半で。とにかくまずは1回。それを次へ繋げようと決意しました。2回目以降、徐々に出店者も増え、告知もSNSを取り入れたりして、お客さんも増えていったんです。鈴木農園の野菜を材料にしたメニューを出してくれるお店も増えて嬉しい限りですね。
ーーー去年の夏と冬の回、お手伝いさせていただきましたが、沢山のお客さんに驚きました!
鈴木:オープン前にずらりとお客さんの列が出来ているのを見て、僕も感無量でした。地域の小学校とのつながりや、地元のミュージシャンの出演など、イベントとしての幅と、地域への根付きも少しずつ感じられるようになりましたね。お客さん同士が、会場で「お! 来てたんだ!」みたいに会話している姿を見ると内心すごく嬉しいです。
これからの鈴木農園
ーーー直売所の横に野菜のジューススタンドが出来たのが去年。採れたての野菜を使って、その場で作ってもらえる野菜ジュース、口にする度、格別な味だなとしみじみしています。
鈴木:ジューススタンドは、その場ですぐ野菜を味わってもらえる良い場になりましたね。マルシェの度に飲んでくれる子どもの姿や、かいじゅう屋さんのパンと一緒に目の前のベンチでのんびり手にしている様子を見ると、改めて作ってよかったなぁ、と。
ーーーこの先、6代目としてどんなことをやっていきたいですか?
鈴木:変わらず畑に向き合い野菜を作ることはもちろんですが、ジューススタンドに続く構想もあって。今、考えているのはカラフル野菜を使ったサラダやお惣菜を楽しんでもらえるお店を併設することです。どんな風に調理したらいいのか戸惑う野菜があっても、その美味しさを気軽に楽しみ、親しんでもらえるお店があったらいいなと思っています。
ーーーそんな素敵な計画があるなんて! 実現したら近所に住んでいる方々がますます羨ましくなってしまいます。まずは、もみじ市で鈴木農園のとびっきりの野菜を手にして、「野菜って、そもそもはこんな味がするんだなぁ」と感じてもらいたいですね。秋の大地の味わいと彩りを、届けてくださるのを楽しみに待っています! 今日はありがとうございました。
《インタビューを終えて》
いつも楽しそうに、そして時々少年のように純粋な言葉で野菜について語ってくれる富善さんが6代目の農家になるまでには意外な経歴が隠されていました。様々な世界を見て家業を継ぐことを決心した富善さんだからこそ、鈴木農園の未来を、大地にしっかりと根を張る野菜たちのように育てたいと思い描いてることが伝わってきました。例え、野菜を食べることが「あまり好きではない」と仰っていても「やっぱり野菜が大好き」ということ、しっかり伝わっていますよ、富善さん!
(手紙社 柴田真帆)
もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:ILLUST&DESIGN
つぼいたけし
【つぼいたけしプロフィール】
シンプルなシルエットや、幾何学模様をモチーフとした作品を手がけるイラストレーター・アニメーション作家。学生時代に、デジタルで作るグラフィックや映像に魅了され、アニメーションの世界へ進む。現在は、絵が描かれた紙をくるくる回すことで絵が動いて見える、ゾートロープやソーマトロープといった「視覚玩具」を得意とし、ワークショップやショーを開催。めくるめくひらめきの世界に、子どもも大人もみんな夢中!
http://www.hilameki.com
Instagram:@takeshitsuboi
初雪・ポッケ
【初雪・ポッケプロフィール】
その年初めて降る雪を目にしたとき、あなたは何を思いますか? 珍しいものを見て心踊る気持ち、移り変わっていく季節に対する感傷的な気持ち、温かさに恋い焦がれる気持ち……。そんな様々な感情が入り混じった心の動きを、ポケットに入れて持ち続けたいという想いから、「初雪・ポッケ」の名前がつけられました。その屋号の通り、浅野英雄さんと眞左子さんご夫婦が制作している装身具を眺めていると、切ないような懐かしいような、それでいて心の奥底に光を灯してくれるような、えも言えぬ感情が湧き上がってくるのです。もみじ市初出店となるお二人が、河川敷にどのような世界を表現してくれるのか、どうぞお楽しみください。
https://zakurobunko.wixsite.com/hpokke
Instagram:@hatsuyuki.pokke
【商品カタログ予習帳】
【初雪・ポッケの年表・YEARS】
【初雪・ポッケインタビュー】
今年初めて、もみじ市に出店することになった初雪・ポッケの浅野英雄さんと眞左子さん。2018年に移住したばかりだという金沢のショップ兼ギャラリー「ザクロ文庫」にお邪魔し、お話を伺ってきました。
英雄さんと眞左子さん、2人の出会い
ーーーもみじ市に参加されている作家さんはご夫婦で活動されている方も多いのですが、おふたりもまさにそうですよね。それぞれ専門にしていたことは、もともと違っていたんですか?
英雄:僕は学生の時に漆を習っていて、木工もちょっとやったりしていました。卒業してからは色々な場所で働いていましたが、何かしら手作業で作るようなところばかりでしたね。素材が変わるたびに一から覚えることが多く、新鮮ではあったんですけど大変でした。
眞左子:私は学生の時は彫刻科で、その後彫金教室に習いに行くようになりました。ちょうどそのタイミングで欠員が出て声をかけていただいて。ジュエリーとか、工芸とか、その両方をミックスしたようなものを手がけていました。
ーーー異なる分野で活動されていたんですね。どんなきっかけで知り合ったのでしょうか?
英雄:友達と木で作るスプーンのワークショップを開催していて、それに彼女が参加してくれたんです。
眞左子:お互いに作り手ということもあり、誕生日やクリスマスなどの記念日のプレゼントとして、自分たちの手作りのものを贈り合うようになりました。

ーーーそれぞれが作ったものをプレゼントし合うなんて、とても素敵ですね!
英雄:当時は扇子屋さんで働いていたため、扇子を贈ったこともあります。あとは、片方が作ったモチーフを使って次の作品を作ったりしていました。ひょうたんや靴、本など、モチーフも様々ですし、出来上がるものも色々なバリエーションがありましたね。
眞左子:贈り物を重ねるうちに一緒に装身具を作り始めるようになって、私は一足先に仕事を辞めて独立しました。
山里での暮らし
ーーーそうして、初雪・ポッケの活動がスタートするんですね。
英雄:活動を始めた当初はまだ仕事を続けていたため、仕事とは別の空いた時間を使って一緒に作品制作を行なっていました。会社を退職した後は、本腰を入れて制作に臨もうと京都の山奥の方に移住しました。
ーーーどうしてその場所を選ばれたんですか?
眞左子:制作するのにスペースはそんなに必要ないのですが、やはり音が出てしまうので街を離れて田舎の方がいいかなと思い決めました。
英雄:周りに何もないので、他にすることがなくて。近所を散策するか、制作するかしか選択肢がないので、とても集中しやすい場所でした。他の物事の影響を気にせず、自分たちのやりたいこととしっかりと向き合える環境だったので、2人で楽しくやれていましたね。
ーーーこの頃に作っていた作品はどんなものだったのでしょうか?
眞左子:最初に2人で作ったのはりんごのネックレスです。木と金属が合わさったもので、初期からの定番作品ですね。あとはちっちゃなクマの木彫りのネックレスも、いまだに変わらず作り続けている作品です。
英雄:この時は、セレクトショップで開催される個展のテーマに合わせて、作品を作っていました。“ニュートン”をテーマにしていたのでりんごを選んだり、科学系のイメージからコンパスや三角定規などをモチーフにしたものもあります。
ーーー制作するときは完全に分業ですか? どのようにアイディアを出すかなど、決まっていたりします?
眞左子:それぞれで好きなものを作っているという感じです。自分では出来ないような作業のときは相手に頼んだりして。2人で相談しあって案を出すこともありますね。お互い好きなものを作らないと喧嘩になってしまうので(笑)。
2度目の移住で金沢へ
ーーー金沢に移住されたのは昨年のことなんですね。
英雄:僕が金沢出身なんですけど、長男だからいつかは金沢に帰ろうとは考えていました。ちょうど息子が小学校に上がるタイミングで、少しでも早い方がいいかなと思い、2018年に戻ってきました。もうちょっと山でのんびりしたかったんですけどね(笑)。
眞左子:この建物は、かつては物置きとして使われていた蔵だったんですけど、制作と生活をまかなえるような空間に改装し「ザクロ文庫」と名付けました。直接作品を見てもらえる場所を作りたいなと思っていて、スタジオ、ショップ、ギャラリーの3つが合わさった空間になりました。月に何日とか決めて、その日だけ開けるような形態にしていく予定です。

ーーーこちらにいらっしゃるお客さんはどういう方が多いですか?
英雄:結婚指輪の打ち合わせにいらっしゃる方が多いですね。京都にいたときは、自分たちが市内に出て打ち合わせしていたんですが、わざわざ外に行かなくてもお客さんに気軽に来てもらえる場所にしたいと、長年思っていたんです。
ーーー体験教室なども開催されているようですが……?
眞左子:シルバーの指輪を作るコースや、糸ノコで切り抜いてピンブローチやペンダントトップを作るコースなどがあります。1回3時間ぐらいで、一つの作品を完成させる内容です。
英雄:展示をしているお店など、外でワークショップを開催することはあったけれど、工房でも開催できればいいなと思っていたので実現できてよかったです。体験教室はまだシステム化できていないので、これからそういう部分を整えていきたいです。いずれは、音楽家の人に演奏とかもしてもらいたいですね。
背景のある作品づくり
ーーー作品は大体、何点ぐらいあるんでしょうか?
英雄:同じものの在庫を抱えているというよりかは、少ない点数でたくさんの種類を用意しているので、収拾がつかなくなってきました(笑)。昔から作っているものもあるし、新しいものもあるし。新しいものだけに絞ってしまうと、「前のアレはないの?」とお客さんに尋ねられることも多くて。
ーーー素材も技法も様々ですもんね。最近はどんな作品が多いのでしょうか?
眞左子:銀の板を糸ノコで透かし、打ち出し技法でほんのりと凹凸をつける“透かし”のシリーズを増やそうと思っています。あとは、原石が入ったちょっと無骨な1点ものの指輪も、最近は多いですね。
英雄:元々石とかも好きで、今まで集めていたものを使ってみようと思い始めました。石にはそれぞれ特徴や意味、歴史などがあるので、その都度勉強しながら使うようにしています。
ーーー他に作品を作る時に意識されていることはありますか?
英雄:動物モチーフの作品を作る時も、ちゃんと意味があったりします。たとえばフクロウは、「不苦労」で苦労知らず、「福籠」で福がこもる、「福老」で不老長寿と福を呼ぶ縁起物とされています。ただ見た目が可愛いというだけでなく、こういう意味を大事にしながら、背景のあるものを作るように心がけています。
眞左子:お客さんでも、込められた意味から作品を選んでいく方もいますね。先日は70歳の古希のお祝いで、長寿を意味するメンフクロウの置物を購入された方がいました。古希には、紫の色のものを贈る風習があるので、頭の上の冠にはアメジストを入れました。

ーーー作品に込められた意味を知ると、一層愛着が湧いてきますね! これから新たに挑戦したいことはありますか?
英雄:今、金沢の伝統工芸である“加賀象嵌”を2人で学びに行っています。
眞左子:彫った金属に異なる金属を埋めて、その色の違いで模様を見せる技法なんです。金属のタガネという道具作りからやっていて、人間国宝の先生に見てもらえることもあります。
ーーーまた異なる技法を学んでいらっしゃるとは……! 象嵌の技術を習得されたら、さらに表現の幅が広がりそうですね。日々進化し続けているおふたりの作品のこれからを、楽しみにしています!
《インタビューを終えて》
京都と金沢、2度の移住を経て制作活動に打ち込んできた英雄さんと眞左子さん。どちらも歴史ある地ながら豊かな自然に囲まれていて、そんな場所の穏やかな雰囲気が、おふたりの作品からもにじみ出ているようでした。初めてもみじ市参加することになった2019年。この1年も、初雪・ポッケにとってこれまで以上に大きな年となりますように。
(手紙社 藤枝 梢)
羽鳥景子
【羽鳥景子プロフィール】
短大で油画を専攻しながらガラス工芸を学び、京都でバーナーワークによる耐熱ガラスの技法を習得。現在は仕事としてのガラス製品・パーツ制作と、アート作品の制作を並行しつつ、耐熱ガラスでの表現の可能性を探っています。阿佐ヶ谷のアトリエではマスコット猫の“まるちゃん”が、日々羽鳥さんに影響を与えているようです。代表作「アートポット」には一目で心を掴まれました。高い技術とセンスを持ち合わせたアーティスト。作品に負けずご本人もとっても素敵。もみじ市のブースで話しかけてみましょう!
Instagram:@hatori_glass
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もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:OYATSU
HUGSY DOUGHNUT
【HUGSY DOUGHNUTプロフィール】
店主は1988年生まれのまつかわひろのりさん。妻のゆみさんと二人三脚で「あそぼう」をコンセプトにしたイーストドーナツをつくります。聖蹟桜ケ丘の住宅地、入り組んだ細い路地を抜けると現れる、古民家を改築したHUGSY DOUGHNUTは今年5周年を迎えます。のりさん(愛称)は記念年である今年、敬愛する仲間たちと様々な作戦を“企んで”いる様子。ふわふわでユニークな見た目の穴のあいたドーナツを作り、人の輪までも広げていくのりさんは今日もウホウホ言いながら試行錯誤してます。今年のもみじ市では、どんな楽しいドーナツと、ハグジーサプライズに出会えるのか楽しみでなりません。
https://www.hugsycafe.com