もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:CRAFT,ジャンル:OYATSU

ひだまり商店とco+fe

【ひだまり商店とco+fe プロフィール】
北浦和の閑静な住宅街に佇む、以前はお米屋さんだったという木造の一軒家でおやつ屋を営む「ひだまり商店」は、平飼い卵や埼玉産無漂白小麦など厳選した材料で、干した布団のように心をポカポカと包むようなお菓子作りを行っています。

そんな「ひだまり商店」の店舗で扱っているのが、木(Co)と鉄(Fe)を組み合わせて作るco+feのインテリア雑貨と、フラワーデザインnote:のブーケたち。昨年11月に出版されたひだまり商店・いてのまみさんの初の著書『ひだまり商店がおやつの時間をお届けします』(学研)では、note:さんがスタイリストとして協力、また撮影用小物をco+feさんが提供するなど同メンバーが集結し、完成した書籍からもお店そのままの笑顏あふれる雰囲気が滲み出ています。

これら3作家が結集したブースでは、それぞれの作品はもちろんのこと、ひだまりのお菓子×co+feのアルミプレート、co+feの照明×note:のシェードなど、組み合わせのディスプレイにも期待。またもみじ市に先がけて、手紙社の運営する書店・本とコーヒーtegamishaでは、今年で4年目となる毎年恒例のフェアを開催(8/28〜9/16)。こちらで予習もお勧めです!

【ひだまり商店】
blog:itemu.exblog.jp
Instagram:@hidamarishouten
【co+fe】
http://co-fe.handmade.jp/
Instagram:@co_fe.m.w
【note:】
Instagram:@no_te1

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もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:ILLUST&DESIGN

ニシワキタダシ

【ニシワキタダシプロフィール】
思わずつっこみたくなるようなおかしなシチュエーションと、ユーモアあふれる関西弁のことばたちが魅力のイラストレーター。その独特の世界観や、“なんともいえない”キャラクターたちのとりこになっている方も多いのではないでしょうか。画風を少しずつ進化させながら日々生まれるニシワキワールドからは目を離せません。代表作『かんさい絵ことば辞典』(パイインターナショナル)をはじめ、絵本『ぼくのともだちカニやまさん』(PHP研究所)『えでみる あいうえおさくぶん』(あかね書房)や、漫画『かきくけおかきちゃん』(大福書林)など著書も多数。
http://www.smoca-n.com/
Instagram:@nishiwaki_t

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出店者紹介,ジャンル:CRAFT

HITOHARI(出品)

【HITOHARIプロフィール】
幼い頃からモノ作りが好きな福田昌彦さんが、2006年北海道富良野でスタートさせたハンドメイド・クラフトブランド。普段だと捨てられてしまうパンツの裾を素材として製作した“裾バッグ”から始まりました。今では私たちの生活に欠かせない“日常をともに過ごす道具”としてのアイテムを、そのサイズや色合い、機能性やデザインを大切に、妥協せずひと針ひと針丁寧に製作しています。中でも私の大好きな「PACK」はMサイズLサイズ共に日々の私の相棒です。カバンの中をスッキリとさせるだけでなく、可愛らしいコロンとした馴染むかたち。色は「PACK」の素材にぴったりと合う選び抜かれたものを使っています。そこに洋服などを詰めれば即席の枕にも。帆布生地を使ったアイテムの登場とほぼ同時にもみじ市参加したというHITOHARI・福田さん。同い歳のもみじ市と帆布の作品たち。今年もみなさんの生活にたくさんの笑顔を運んでくれることでしょう。
http://hitohari.com

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もみじ市 in mado cafe,出店者紹介,ジャンル:BREAD

七穀ベーカリー

【七穀ベーカリープロフィール】
大阪府寝屋川市・香里園にパン&カフェを構えつつ、日本全国、北から南までさまざまなイベントを飛び回る、別名「飛び出すパン屋」。店主の山本洋代さんが作り出す、自家製酵母のパンと豆乳ドーナツ、「パンとおいしいもの」と題したパンを楽しむためのグロッサリーは、素材を生かした味わいと愛らしい見た目が人気です。2013年に初めて出店し、今年で通算7回目になる常連出店者の1人。レトロ印刷でお菓子のパッケージを自らデザインし製作するなど、クリエイティブな一面もあり、ピュアな人柄と冷めやまらぬパッションで、多くの人の心を掴んで離しません。
http://759bakery.jp

【七穀ベーカリー・山本洋代の年表・YEARS】

【七穀ベーカリー・山本洋代さんインタビュー】
自他共に認める、もみじ市ファンの山本洋代さん。「ミセス・全力投球」山本さんが、どのようにパン作りと出会い、自らのパンを作り出したのか。もみじ市への思いと共に、担当・丸本がその歴史を伺いました。

“10周年”
ーーー“七穀ベーカリー”の屋号を掲げて今年で10年目を迎えられましたね。おめでとうございます!
山本:ありがとうございます! 年表を作成しながら、この10年を振り返ることができました。色んなことがありましたね。

ーーー七穀ベーカリーといえば、自家製酵母のパンと豆乳ドーナツ。そして、山本さんとお母さんの息のあった運営も、ひとつの名物だと思っています。私、いつもお2人を微笑ましく拝見していました。
山本:そうですね。主人とお母さんと出会って、2人が応援してくれたから、ここまでやってこれました。特にお母さんは大事なシーンで背中を押してくれた人なので、お母さんがいなかったら今の七穀ベーカリーの形にはなっていなかったかもしれないです。

ーーーえ、待ってください。お母さまって、ご主人のお母さん……?
山本:そうですよ、義母です! 義母!

ーーーお2人の働きっぷりを拝見していると、誰しもが実母だと疑いませんよ(笑)! お姑さんと、こんな素敵な関係を築いているなんて驚きです! 皆さんの馴れ初めをお聞きたいです。年表に移りましょう!

パンの発送準備中の母(照れ屋なのでこっそり撮影)

パンの世界へ飛び出す山本洋代、同年には結婚も

ーーー2002年。人生のビッグイベントがふんだんに盛り込まれた、変化の1年でしたね! パン屋に転職したきっかけは何だったのでしょうか?
山本:パン教室で作った“不味い”パンです(笑)。食べることが好きな私は、その不味いパンに衝撃を受けましてね、「美味しいパンを作れるようになりたい!」と、パン作りを追求したくなってしまったんです!

思い立ったように事務の仕事を辞めて、パン屋にアルバイトで勤め始めました。パンの仕込みや生地作りを教わるようになってからは、取り憑かれたようにのめり込みましたね。以前から交際していた旦那さんともこの年に結婚したでしょう? それまでの人生がガラッと変化する年って突然訪れるんですよ、丸本さん!

ーーーまさに“転機”! 当時から、山本さんには好きへの直感と追求する行動力が備わっていたのですね。
山本:新婚だというのに、パン作りの腕を磨きたくてパン屋とカレー屋とイタリアンレストランの掛け持ちをして、家にはほとんどいなかった時期もありました(笑)。夢中になってしまうと周りが見えなくなる性格で、主人には当時から心配をかけてきました。

もみじ市の存在を知った山本洋代、2大目標を掲げる

ーーー2007年。もみじ市を知るきっかけは何でしたか?
山本:インターネットと雑誌です。学生の頃、文化祭が大好きだった私は「こんな楽しい場所があるんや! 私もこの一員になりたい!」って知れば知るほど気持ちが盛り上がっていきました。

同時に、自問自答していましたね「私らしいパンってなんだろう?」って。それまで、京都の手作り市などで、白神こだま酵母という天然酵母を使ったパンを自分で販売していましたが、もみじ市に出店していた個性いっぱいの美味しいパン屋さんのことを知って、ふつふつと「自分らしさ」を探求するようになっていましたね。

雑誌『自休自足』の「小さなパン屋の作り方」という記事は、教科書のように何度も読み返しました。いろんなものから酵母が育つことを知ったのは、この雑誌のおかげです。そして、そこで特集を組まれていた、ヘブンズテーブルのトミヤマトモミ先生は、今、私が心から尊敬する人の1人です。この雑誌を読んで、パン屋を目指した人はたくさんいると思いますし、私もそのひとり。「自分のパン屋を作ること」と「『もみじ市』に出店すること」を目標に掲げました。

飛び出すパン屋・七穀ベーカリー、いよいよ始動

ーーー2010年。夢だった自分の店『七穀ベーカリー』の屋号を掲げます。
山本:現在、自家製酵母の「レーズン酵母」を使ってパンを作っているのですが、この頃からですね、“天然”酵母ではなく“自家製”酵母を謳うようになったのは。夢だった店を構えても、手紙社の門を叩くことはもちろん、手紙社に行く勇気さえありませんでした。

ーーー2012年。手紙社のことを意識していて、それなのに近づけなかった山本さんが、ついに手紙舎つつじヶ丘本店を訪れる時が来たのですね。
山本:この時、「気になるなら行ってきなさい!」って背中を押してくれたのが義母さんでした。nuri candleさんの個展に、わたなべようこさん(手紙社創業者の1人)がいらして、勇気を振り絞って、話しかけました。「もみじ市に出ることが私の夢です!」って。

ーーー告白のワンシーンのようですね。
山本:はい(笑)。わたなべさんとお会いできた時は、相当緊張していました。そして、いつかもみじ市へお誘いいただけないかと希望を抱いて、後日、自家製酵母パンを手紙舎に送りましたが……連絡はありませんでした(笑)。

送ったパンのことを忘れかけた頃、調布パルコのパンフェスへお声かけをもらいましてね、「手紙社さんのイベントに出れる!」ってとても喜んでいたのを覚えています。それを機に、京王閣で開催されたパンフェスや、GOOD FOOD MARKETにも出店させてもらいました。

2014夏、喫茶にて父と

飛び出すパン屋・七穀ベーカリー、もみじ市へ初出店

ーーー2013年。ついに、第7回もみじ市「カラフル」へのお声かけがあったのですね!
山本:夢だったもみじ市ですから、それはもう……嬉しかったですよ! ただ、ひとつ問題が。

ーーーえ……。
山本:私、大阪〜東京間の長距離を運転した経験がなかったんです! とても不安でした。しばらく頭を抱えていたら、また義母さんが「一緒に行ってあげるから!」と、背中を押してくれたわけです。それまでの心配が嘘のように、当日は問題なく完走できて「飛び出すパン屋」として、ひとつ自信になりました。「私、東京まで運転できる!」って。

ーーー豆乳ドーナツが生まれた年でもありますよね。どんな思いで作ったのですか?
山本:与えてもらった2日間の時間と場所で、「七穀ベーカリーのパン」をどうしたらお伝えできるかなと考えて生まれました。まずは、「皮がかりっ」「中がもっちり」とした食感。そして、自家製酵母らしい旨味と酸味を表現すべく、お店と同じように現地で鍋で揚げることにしました。パン屋のドーナツを味わってほしいです。

「安心と美味しさ」「『飛び出すパン屋』が旅で出会った食材をつかった一期一会のパン作り」は、今も変わらず大切にしています。

2013年 もみじ市初出店
揚げたての豆乳ドーナツ

これからの七穀ベーカリー

ーーー今年、何か特別な活動はされていますか?
山本:これまでお世話になった方や、尊敬する方たちに会いに行って、お話を伺いながら勉強する1年にしています。「パンと美味しいもの 七穀ベーカリー」としてやってきた10年間、人に恵まれて、ずっと並走してくれる人がいてくれました。ヘブンズテーブルのトモミ先生をはじめ、美味しいお料理を作る、尊敬する方がもみじ市にはたくさんいらっしゃいます。今年、コラボを組ませてもらうcafeゴリョウ澤井雅樹さん・加菜子さんもそれぞれ尊敬する人のひとり。美味しいものができそうなので、すでにワクワクしています!

ーーー脱サラしてパンの世界に飛び込んだ頃と変わらぬ情熱でひた走る山本さん。これからのご活躍が楽しみでなりません。ありがとうございました!

出店者目印は、お守りとして大事にしています
ご主人と参戦しました

《インタビューを終えて》
「パン」と「もみじ市」の話をする時の山本さんの楽しそうな表情と、高まる声、そして息づかい。「この方、本当に好きなんだな。私もこんなに夢中になれる何かが欲しい」と思わずにはいられません。愛に溢れた店主と、美味しいパンと美味しいものを求めて、七穀ベーカリーへぜひ足をお運びください!

山本さん。印ピクのパイナップルケーキが本当に可愛くって、疲れが癒えるほど美味しかったです。会ったこともない私に、「せっかくだからJAMさんでパッケージ作りましたよ!」って、メールくれましたよね。仲間みたいに一生懸命で、嬉しかったのをよく覚えています。もみじ市も一緒に楽しみましょう!

(手紙社 丸本菜穂)

【もみじ市当日の、七穀ベーカリーさんのブースイメージはこちら!】

もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:ILLUST&DESIGN

白水麻耶子


【白水麻耶子プロフィール】
画家・美術作家。大阪出身。広島県尾道市在住。生活の中から生まれる想いや信条を、人や動物など具象的なモチーフを用いて表現している。白水作品は青が基調となっており、夜の空気のような、深い海のような、森の奥深くにいるような、そんな美しく幻想的なブルーは、見る者を異世界に誘う。独創的な作品たちは、一目で心が揺さぶられ、その世界に溶け込んでしまう。作品は、絵画ばかりでなくブローチなども。イベントでは、似顔絵仮面(ポートレートマスク)を制作したり、音楽と共にライプペイントも行ったりする。このほど「ちいさいあなた」という、小さな張り子に、お客さまから言葉やイメージをもらって絵を描く新しい試みもスタート。自身のTwitterでは、モノクロのイラストを日記のように公開している。最近、青の世界に広がりや深みがさらに増しており、翼が生えたような印象を受ける。そんな白水さんがもみじ市でどんな世界を繰り広げるのか楽しみでならない。
Instagram:@mayakohakusui
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もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:CRAFT

廣田哲哉

【廣田哲哉プロフィール】
陶芸家。笠間を拠点に活動されています。ファニーな表情をたたえた顔のある “イキモノのうつわ”を、生み出しています。のびやかで自由、型にはまらない、器のフィールドをひらりと飛び越えたインパクトある佇まいは、まさに変幻自在。毒とシュールを孕んだ愛くるしさ、道具として誠実に寄り添ってくれる上質な頼もしさ、どのような器使いも大正解! といったおおらかさとユーモア。そんな幅のある魅力がプリズムのようにキラキラとつまっています。器とオブジェの境界のちょうど良いポイントに漂う愉快なイキモノたちは、湧き上がるインスピレーションと共に暮らす喜びを今日も届けてくれます。
Instagram:@tetsuya_hirota_

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出店者紹介,ジャンル:ILLUST&DESIGN

華華世界商店

【華華世界商店プロフィール】
日本と台湾、2つの国のイラストレーターによって生まれた「華華世界商店(ふぁふぁせかいしょうてん)」は、「華華世界」が中国語で「ファンタジーな世界」を意味するように、愉快で素敵なアイテムに溢れています。東京在住のオガワナホさんはスタイリッシュなイラストを描いた紙もの雑貨をはじめ、アロマブローチなども手がけています。台湾在住のグ・シャオインさんはイラストを一針一針丁寧に刺繍に落とし込んだ、靴やブローチなどの可愛らしいファッションアイテムを制作。おふたりのアイテムを取り入れたファッションができたら楽しいだろうなと想像するとワクワクがとまりません。
Instagram:@naho_siaoyin
Facebook:https://www.facebook.com/huahuaworldstore/

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もみじ市 in mado cafe,出店者紹介,ジャンル:CRAFT

松本寛司

【松本寛司プロフィール】
1976年愛知県一宮市生まれ。仏像や仏具を制作修理する仕事を経て多治見市のstudio MAVOで木工作家としての歩みを始めました。現在は渥美半島の海岸近くに工房を構えて、趣味のサーフィンと木工を行ったり来たりの毎日。木の板から読みとったかたちを彫り出し削り出し、生活の中で手に馴染み長く使える道具を制作しています。木から、海から、インスピレーションを受け、木の特性を生かした作品は、ひとつひとつ手仕事によるもの。スプーンの角度ひとつ取っても細かい調整がなされています。私(担当:小池)が愛用するのはスプーンとフォークが一体になったアウトドア用のカトラリー。インドアでも重宝しています。
http://kanjimatsumoto.com/

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もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:ILLUST&DESIGN

ペペペ似顔絵店

【渡邉知樹プロフィール】
絵本作家、画家として活動する「ぺぺぺ似顔絵店」こと渡邉知樹さん。絵をメインに、鳥オブジェなどの立体作品も制作している。色使いも秀逸。詩や漫画を描いたり、ピアノを奏でるなど、表現方法もバラエティーに富む。山手線を1周歩いたり、東京マラソンに出場したり、フットサルをしたり、料理したりと、心が動かされることを大切にして、心の赴くままに行動を起こしていく。ヒッチハイクで、似顔絵を描きながら日本を放浪し、描いた似顔絵は3000枚以上にもおよぶ。海外も10ヶ国以上を旅しており、近年では、国内のみならず、海外にも進出。無類の映画好きでもある。渡邉さんが制作する作品は、絵・立体・文字・文章……、どれも愛らしさと力強さ、儚さが共存しており、その研ぎ澄まされたセンスに心が揺さぶられる。その表現力には、驚かされてばかり。彼の持つ、繊細さや感度、そしてゆるやかさと優しさを、似顔絵の世界で感じていただきたい。
http://suetomii.wixsite.com/tomoki

もみじ市 in 神代団地,ジャンル:ILLUST&DESIGN

makomo


【makomoプロフィール】
大阪を拠点に雑誌、書籍、WEB、雑貨など、多岐にわたって活躍しているmakomoさんが描くのは、じわじわと笑いがこみ上げる脱力系イラスト。ゆるくてかわいいイラストのどこか異様なおかしさは、二度見、三度見したくなるほど癖になります。自らを“おもしろメーカー”と称し、肩の力を抜いて笑える作品を数多く手がけているmakomoさんですが、その裏には「おもしろいものをつくってやろう」という強い意志も。おもしろさを追求したmakomoワールドから目が離せません。
http://makomo.jp/
Instagram:@makomotaro

【makomoの年表・YEARS】

【makomoさんインタビュー】
矢印が飛び交うこの年表を見た瞬間、おもしろメーカー・makomoさんの頭の中をちょっと垣間見れたような気がしました。これまで、どのような人と出会い、関わり合って、このmakomoワールドが作りあげられてきたのでしょうか。担当・永井が年表の矢印を1本ずつ辿りながら、お話を伺いました。

makomoのはじまり

ーーーmakomoとして活動を始めたのはいつですか?
makomo:makomoという名前をつけたのは、2006年に友人と京都でフリーペーパーを作り始めたときが最初です。編集とイラストを担当していたんですが、編集とイラストが同じ名前なのはいやらしいなーと思って別の名前をつけてみたんです。

ーーーどんなフリーペーパーだったんですか?
makomo:『temiru』っていうフリーペーパーで、京都に関係する若手アーティストと中高生の橋渡しをするというコンセプトでした。作品紹介とインタビュー、中高生とのワークショップ取材記事などの誌面構成で、京都市立のすべての中学校と京都府内の一部の高校と大学に置いてもらっていました。あとは美術館、博物館、ギャラリーとかにも。美術って出会わない人はずっと出会わないものじゃないですか。少しでも出会う機会が増えることで、ちょっとでも理解してもらえたらなって思って始めたんです。まあ半分、その友達に流されてやったみたいな感じなんですけど。

ーーーおもしろそうなフリーペーパー!
makomo:NPOを立ち上げて一応、志を持ってやっていたんですが、大きな助成を受けるわけでもなく、ほぼ自分たちの持ち出しで作っていたので、半分趣味のようなものですよね。厳密には今も続いていることになっているんですけど、みんな忙しくなってきたから今は休刊中です。最初は2か月に1回の発行、しばらくして3か月に1回くらいのペースで発行して、26号まで出てます。

ーーー休刊中とは残念。見てみたかったです。
makomo:2、3か月に1回ペースで出すのは厳しかったですね。終わったと思ったらすぐやってくるので(笑)。でもこのフリーペーパーがすべてのをきっかけですね。それまでギャラリーに行ったことがなかったんですけど、フリーペーパーを配るためにも、いろんなアーティストを知るためにもギャラリーに行くようになったんです。そうしているうちに、流れで自分も2007年に初の個展を開くことになりました。

ーーー初めての個展はどんな感じでしたか?
makomo:会場が10m×7mの大きなスペースでした。それまでは小さい絵しか描いたことがなかったんですが、小さい絵だと全然空間が埋まらないと思って、苦肉の策で大きい絵を描くことになりました。

ーーーmakomoさん的には小さい絵と大きい絵、どっちを描くのが好きなんですか?
makomo:どっちも好きですが、大きい絵のほうがおもしろいと思います。大きいっていうだけでおもしろいので。大きい絵を描き始めたときは、おもしろい作品だと思いながらも、こんな事は既にもう誰かがやっているだろうっていうコンプレックスがありました。続けているうちに、案外やっている人がいないことがだんだん分かってきて、少し自信を持ちました。それからは周りの目はあまり気にせず、ただ自分がおもしろいと思ったものを作っています。

ーーー大きいものを描くことってそれだけで大変そうですが?
makomo:大変なのは、一度始めたら失敗ができないプレッシャーくらいですね。失敗したら0から描き直さないといけなくなるので。大きい絵は小さく描いたものを拡大コピーして、それをトレースして下絵を描いているから、最後は作業みたいな感じになるんですけど。

ーーートレースして描いているんですね!
makomo:そうです。バランスを見ながらいきなり大きな絵を描くのは身体的に大変なので。あと絵の具も比較的薄く塗っているから下絵の線が最後まで見えてしまうので、下絵からちゃんとした線を引いておかないといけなくて。

ーーーなるほど。たしかにこんなに大きな絵、バランスをとるのが難しそうです。
makomo:そうですね、僕はバランスとか重心とかを見ることに一番時間を使います。下絵の段階でちょっと置いて、寝かせてみての繰り返し。そんな微妙な違いなんて、誰にも気づかれないかもしれないんだけど、結構完璧主義者だからこだわってしまうんですよね。あと、やっぱり一番大変なのは一番最初のおもしろい絵柄を思いつくところですね。

ーーーこんなにイラストは自由でゆるい雰囲気なのに、完璧に計算し尽くされた背景があったとはなんだかギャップを感じますね。そういうところもmakomoさんの手がけるもののおもしろさなのかな……と思いました。

ーーーでは、makomoさんが思うおもしろさとは、どういったことなんでしょうか?
makomo:あるものがあって、それと少し違うということ……かな? うまく言葉にできないんですけど、言葉にできないからこそ、おもしろいのかなとも思っていて……。例えばこの絵を言葉で説明しようとすれば「舟にオムレツが乗ってて」とか、「足が太くて長くてバランスがおもしろい」とかそんな感じで言えるのかなとは思うんですけど、それだけじゃない、言葉にできない部分があるんだと思うんです。おもしろ方程式みたいなのがわかれば、もっといろいろ生まれるんだろうけど、でもそれがないところがおもしろいのかな?

初個展を経て広がっていく人との繋がり

ーーー大阪で雑貨店とギャラリーを営むオソブランコさんは、手紙社のイベントにもよく出店いただいていますが、2007年にそこで個展されたのは、どういう経緯からだったんですか?
makomo:友達が撮った僕の初個展の写真をオソブランコさんが見たようで、そこから個展をやらないかって誘われました。今考えるとオソブランコさんに出会ったことは大きな出来事でしたね。そこからは毎年個展をさせてもらっているし、いろいろな提案をしてもらってグッズも一緒に作っています。あとオソブランコさんでの個展をきっかけに繋がった出会いもありました。

ーーーどんな出会いがあったんでしょうか?
makomo:オソブランコさんでの個展のDMを見て、「GONTITI」のゴンザレス三上さんが本を作ってくれたんです。それまで書いていたブログを抜粋、加筆したもので、『ほんきでてきとうに』っていう本なのですが、今では描けないだろうと思う変な絵と文ばかりです(笑)。これが僕の初グッズでした。それからその本を持っていろいろなところに売り込みにいきました。「置いてくれませんか」って、アポなしで一軒一軒言って回ったんです。

ーーーそこを経て、次は大阪のアートギャラリー・Pantaloonで個展を。
makomo:はい。フリーペーパーの取材で行った場所で、話の流れで個展をさせてもらうことになりました。で、その個展を見たエルマガジン社の方からイラストレーターとしての仕事をいただいたんです。エルマガジン社の年賀状のイラストを描く仕事で、新年号が猫特集だったので、猫が鏡餅みたいに重なっているイラストにしました。「ハッピーニャーイヤー」みたいなテキストを加えてもらって。

ーーー可愛らしいですね(笑)。その翌年がターニングポイントになっているのは、どんな出来事があったのですか?
makomo:『temiru』の編集をやりつつ、イラストレーターをやっていたことに興味をもってもらって、トークイベントに呼ばれたんです。でも僕トークが苦手でぐだぐだになりそうだったので、来てくれた人に、何かお土産を用意してごまかそうと思って絵本をつくりました。それに自分が今どんなことをおもしろいと考えているかも伝えたいなと思ったので、「おもしろ絵本」を作ってお土産にしたんです。家のプリンターでプリントして、自分で綴じて作りました。『ももたろう』『きんたろう』『うらしまたろう』『うさぎとかめ』『ねこふんじゃった』の「おもしろ絵本」はそのときできた作品です。それから絵本作りはライフワークになっていますね。

ーーー2013年のもみじ市が初めての参加だったんですね。
makomo:はい。まず「紙ものまつり in 大阪」に、よく印刷をお願いしていたレトロ印刷JAMさんの推薦枠で参加させてもらって。その時つくった、「ハムとレタスの紙」を北島勲さん(手紙社代表)が気に入ってくれて、そこから手紙社さんに商品を置いてもらうようになりました。その後、今はなき手紙舎調布PARCO店での個展などを経て、2013年にもみじ市初参加です。なんか今、年表を作りながら振り返ってみて、ここらへんの懐かしいアイテム、復刻してみてもいいかもって思いました。

ーーーぜひぜひ! 実際に見てみたいです。ネーミングからしてすごく気になります。
makomo:う~ん、考えてみますね。もみじ市のすごさを知らずに初めて参加した2013年はテントなしで、机2台だけ並べた状態でやりました(笑)。その後毎年参加しているうちに、ちゃんとするようになって、今ではテント立ててやっていますが、今年は原点復帰してもいいかもしれませんね。並べるものとしてはアクリルキーホルダーの新しいものを作って持っていく予定です。HITOHARIさんとのコラボもやるので、楽しみにしてもらえると嬉しいです。

ーーーアクリルキーホルダー、本当に人気ですよね! お客さまも楽しみにしてらっしゃると思います。

横入りコロコロ人生

ーーーそういえば、最近ですよね。肩書きを「イラストレーター」ではなく、「おもしろメーカー」としたのは。
makomo:おもしろメーカーと書いたのは、昨年の新宿クリエイターズ・フェスタのプロフィールが最初です。イラストを描くだけじゃなく、アイデア出しのところからやっていきたくて。もっと前段階から声をかけてくれれば、もっとおもしろいこともできるのにって思って名乗り始めました。

ーーーなるほど。たしかにおもしろさを作り出す根本的なところから関わるんだったら、イラストレーターっていう肩書きだけではおさまらないですね。
makomo:はい。イラストも、ひとつ描けばどんなグッズにも流用することができるんですけど、アイテム1つひとつにはそれぞれに合った絵が必ずあるだろうから、ちゃんと考えたいなって思っているんです。だから肩書きはおもしろメーカーがいいかなって。それに僕自身、イラストレーターになりたいって思っていたわけでもなかったですし……。

ーーーえ!? そうなんですか!
makomo:はい。高校、大学とデザインの学校で絵はずっと描いていたんですけど、イラストレーターという職業は頭になくて。かと言って、その頃何かなりたいものがあったのかって言われると、それもないし、全然記憶がないのですが……。2006年より前は、本当に記憶がなくて、だらだらとしていたんですよね(笑)。

ーーーまさかイラストレーターになりたいと思ったことがなかったとは!
makomo:僕の人生、横入りです。大きい絵の展示からイラストの仕事をもらって、横からイラストレーターという世界に入って、今こうしていろいろやらせていただいて……。自分の人生を今回振り返ってみてタイトルをつけるとすると、“横入りコロコロ人生”かなって思います。

ーーー“コロコロ人生”とは?
makomo:年表の矢印を見てもらえば分かると思うんですけど、本当にいろいろなところへ矢印が伸びていると思います。いろいろな人に出会って、うまいことコロコロ転がってきたんです。最近の話で言うと、2018年、2019年とJR西日本の「さわやかマナーキャンペーン」の絵を担当してるんですが、そのきっかけが『temiru』でした。2006年に『temiru』の誌面づくりに協力してくれた中学生がデザイナーになって、『temiru』に載せていたイラストを思い出してくれたみたいで、依頼がきたんです。本当にいろいろな出会いによって流されるように転がってきて、今があるので、“横入りコロコロ人生”です(笑)。

ーーー年表の2006年から出ている1番長い矢印がその『temiru』を手にした女の子からの依頼のお仕事だったんですね! フリーペーパー『temiru』の活動が10年越しでこうした繋がりを見せるなんて。今後もどんな矢印がこの年表に書き足されていくのか私も楽しみにしています!

《インタビューを終えて》
イラストレーターの世界で活躍しているものの、その枠にとらわれず、ディレクションの段階から作品作りに入っていきたいという思いで、自らを“おもしろメーカー”と称するmakomoさん。ものづくりに妥協を許さず、おもしろさをどこまでも追求していき、時にはすっと離れたところから、自分の頭の中のちょっと外側を見つめてみる。ふふっと笑ってしまうようなゆるさがある作品の裏には、表に見えているものとは正反対のmakomoさんの熱い思いがありました。おもしろメーカーとして活動し、1年。イラストレーターという枠から飛び出したmakomoさんの描く世界に今後も注目していきたいです。

(手紙社 永井里実)

【もみじ市当日の、makomoさんのブースイメージはこちら!】