「どうして ぼくだけ みんなとちがっているんだろう。だいたい、パッチワークのぞうなんて、へんだよね。だから、みんな わらうのかな、ぼくのこと」
「ぞういろ」をしたぞうたちの中で、エルマーだけは違っていました。黄色に、赤に、オレンジに、緑。エルマーはパッチワークのぞうだったのです。
世界20か国以上で出版されたイギリスの絵本作家デビッド・マッキーの名作『ぞうのエルマー』。お読みになった方も多いはずです。
『ぞうのエルマー』
文・絵/デビッド・マッキー 訳・題字/きたむら さとし 発行/BL出版株式会社
悩んだエルマーは、ジャングルの木の実でカラダを染めて、「ぞういろ」のぞうになるのですが、最後には、色とりどりのパッチワークが自分の個性=魅力なんだと気づくのです。
実はこの本、「SHOESbakery シューズベーカリー」の高橋吉行さんが大切にしている一冊なんです。高橋さんの本業は婦人靴メーカーの社長さん。普段はとある有名ブランドの婦人靴をOEMで作っています。でもOEMでは自分たちの会社名を出すことはできません。そこで作ったのが「SHOESbakery シューズベーカリー」というブランドでした。パン屋さんが窯から取り出した焼き立てのパンを店頭でお客さんに販売するように、自分たちもハンドメイドの婦人靴をECサイトで直接お客さんに販売しようと考えたのです。
「婦人靴をつくるには、一枚の革でも傷があったり染めムラがある部分は使えないんです。だからどうしてもあまり革が出てしまう。それをそのまま処分してしまうのはもったいないなぁと、ずっと悩んでいたんです。そんなときに、知り合いのスタイリストさんからこの『ぞうのエルマー』を教えてもらったんです。『いろんな色の、いろんな革が使えるって、シューズベーカリーの最大の強みじゃないの』って」
こうして捨てられる運命だった色とりどりの革は、シューズベーカリーのブックカバーやバッグ、クッションカバー、バブーシュとして生まれ変わりました。
高橋さんとスタッフの古川さん、そしてパッチワークのぞう・エルマー
「革小物専門の人だと、ヌメ革を使うことが多いんです。厚みもあって強度も十分だし、使い込めば使い込むほど味が出てくる。ただ色味は限られています。それに較べるとパンプスの革は若干薄いけど、種類が豊富。クロコの型押しをアクセントで使ったり、単色では強すぎる色をちょっとさし色で入れたり、いろいろ遊びができるんです」
いろいろな色を組み合わせることで、色の持つ魅力がどんどん広がっていく。それがシューズベーカリーの個性=魅力なのだと、高橋さんは話してくれました。
最近では、「嫌いな色はない」という天性のカラフル人・古川淑華さんが新たにスタッフとして参加。シューズベーカリーは、ますますカラフルに進化していっています。
今回は、お越しくださるみなさんに楽しんでいただけるよう誰でも参加可能なワークショップもご用意してくれました。革のハギレを使ったチャーム作りのワークショップです。
革で作った葉っぱに、革ひもを通してオリジナルのチャームを作ります。用意された数種類の革の葉っぱと紐を自由に組み合わせることができます。お一人10~15分程度で完成出来ますので、ぜひお気軽にご参加ください!
<革のハギレを使ったチャーム作りワークショップ>
10月19日(土)11:00〜15:30
10月20日(日)10:30〜15:00
※両日とも開催時間中随時受け付けいたします。
参加費:500円(参加時にブースにてお支払いください)
お申し込み方法:事前のお申し込みなしでご参加いただけます。
【SHOESbakery シューズベーカリー 高橋吉行さんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
「SHOESbakery シューズベーカリー」は、パンプスのあまり革を使ってブックカバーやバッグなど小物をいろいろつくっています。靴から生まれた革小物、ぜひ見てください。
Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
好きな色はレッドオレンジと、緑がかった青。沖縄の海みたいな色ですね。それが僕のテーマカラーです。
Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
カラフルな革を使ったオリジナルのアイテムと、いままでにお客様からご要望の多かったトートバッグやクラッチバッグなどのバッグ類をお持ちします。それと、事前予約なしで参加できるワークショップを予定しています。いろんな色の革を使ってカラフルなアクセサリーを作りましょう。
Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!
さて、続いては笑顔が眩しいあの方の登場ですよ。
文●秋月康