ステーショナリー。いや、文房具。小学校の頃、駄菓子と一緒によく買っていたのを思い出します(当時、文房具店には駄菓子も売っていました)。気にいったシャーペンを何色も買って、買った日はいつもより丁寧に字を書いたり、勉強をがんばったような気がします。みなさんにも、文房具にまつわる思い出があるのではないでしょうか?
sixの店主である佐藤達郎さんは文房具を企画デザインする「DELFONICS」(デルフォニックス)を1988年に立ち上げ、その6年後の1994年、東京・自由が丘にsixをオープンさせました。
瀬戸内のおだやかな町で育った佐藤さんは言います。
「小学校の前にあった文房具店には元気な子供たちがいっぱいで、ワクワクやドキドキにあふれていました。まるで宝物さがしでもするかのように、毎朝、店内をひと回りしてから教室に向かいました。文具店に一番活気があった、あの頃のたたずまいや匂い、ワクワクやドキドキを伝えていけないだろうか。当時たしかにあったその魅力を、今の時代の中で再生していきたい。けっして再現ではなく、現代なりの、自分なりの解釈を添えて」
sixの店舗は地上から少し階段を下って入ります。そしてトビラをくぐった瞬間に一気に広がる世界は、佐藤さんが伝えたかったというワクワクやドキドキを感じずにはいられません。店内にはペンやノート、消しゴムにテープカッター、便せんにハサミなど、私たちが子供の頃から文房具店で見てきたアイテムや、アンティーク時計、スノードーム、ポスターなどの雑貨が、ところ狭しと並んでいます。
これらのアイテムは佐藤さんとsixのスタッフさんたちが、フランス、イタリア、スペインなどのヨーロッパや北欧などの国に行き、直接仕入れたもの。「欲しい」と思って仕入れたものです。今では多くのお店で見かける海外の文房具ですが、sixがオープンした約20年前には、まだ日本ではなかなか見かけることがありませんでした。人気があるから、ではなく、自らの足で見つけ、長きにわたって海外の文房具を見続け、文房具を自ら企画デザインもする佐藤さんならではの視点、解釈を、アイテムひとつひとつから感じることができます。
佐藤さんがセレクトをする際にいつも言っているという言葉をスタッフの伊藤妙子さんに聞くことができました。
「文房具を使うシーンに緊張感があること、その一方で雑貨も含めた遊び心も忘れたくない、という様々な良さに惹かれもの選びをしています」。
文房具というのは仕事で使う場面が多く、オンタイムのもの。だからある一定の緊張感が必要で、その中にも使う時に楽しい要素を、ということなのでしょう。
今回のもみじ市のテーマはカラフル。「ひとつのボールペンでも様々なカラー展開がある文房具は今回のテーマぴったりです。国や地域ならではの色が、文房具にもあります。それをぜひ楽しんでください」と伊藤さん。子供の頃、文房具店訪れた時のような気持ちで、sixのブースに行ってみてください。文房具を選ぶワクワク・ドキドキ感を、そして文房具を使う楽しさを、きっと思い出させてくれますよ。
【sixスタッフ伊藤妙子さんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
お店では文房具と雑貨を扱っていますが、年に何度かヴィンテージのものを集めた蚤の市を行っています。もみじ市ではその蚤の市の出張版で臨みます!
Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
カラフルな色彩が映える白でしょうか。
Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
文房具はカラー展開が豊富なので、カラフルなアイテムをご用意します。そして様々な国や地域のアイテムが持つ性格、色を楽しんでください。
Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!
続いてご紹介するのは、初出店の方です。この人の手にかかれば、みんなツメの先までカラフルになれますよ!
文●竹内省二