緒方伶香「糸屋+テノリシロクマ」

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ぼくは、ペン吉。皇帝ペンギンのヒナです。もみじ市というイベントで羊毛作家の緒方伶香さんが羊の毛から作ってくれたんだ。どうやってあのふわふわした毛からぼくができるのかって? それはニードルパンチという針を使ってチクチクと固めるんだよ。ひと針ひと針愛情を込めて(なんて、自分でいうのもおこがましいけどね)、少しずつ少しずつ固めるんだ。

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 ぼくを作ってくれた緒方さんは、「羊毛のしごと」や「羊毛フェルトの教科書」っていう本も出している人で、糸を紡いだり、フェルトでバッグや小物ケースを作ったりする人なんだよ。緒方さんは毎年、もみじ市に出ていて、ぼくの他にも手のひらサイズのハリネズミやパンダやうさぎ、ひつじなんかも作ったことがあるんだ。どれもとってもキュートで(ぼくほどではないけどね)、たくさんの人に作り方を教えてるんだよね。ワークショップって言ってね。みんなが緒方さんの作った人形(ぼくみたいなスマートなやつね)をお手本にして、チクチクと一緒に作っていくんだ。

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みんなで作ってくれると一辺にたくさんの仲間ができるからぼくは嬉しいんだ。その場ですぐに離れ離れになっちゃうけど、離れていても心はひとつっていうかさ、同じ場所で、同じ日に生まれた兄弟がどこかにいるんだと思うと、なんだか嬉しいんだよね。

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この間、緒方さんが、もみじ市の事務局の人に「毎年、もみじ市のために一生懸命準備をする」って言ってたよ。定期的にみんなで人形を作れて、たくさんの人に触れてもらえる大事な機会なんだって。たくさんの人に作って欲しいから、緒方さんは毎年、新しい、キュートな子を連れて行くんだ。でも、どんな子にするか考えるのがとっても大変だから、学校の宿題みたいって言って笑ってた。

もみじ市はそんな特別なイベントなんだけど、じつは、去年は開催されなかったんだ。でも今年は2年ぶりに開催できて、新しくスタートするから緒方さんもとても楽しみにしているみたい。

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実はこの前、緒方さんにニューヨークまで連れて行ってもらったんだよ。すごいでしょ? 向こうで、もみじ市用のお土産も買ってきたよ。ついでにMOMAやジャクソン・ポロック、建設中のセント・パトリック寺院とかいろいろな場所に行って記念写真も撮ったんだ。

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休んでいる間に緒方さんもいろいろ考えたみたいで、今年からはぼくみたいな絶滅危惧種に指定されている動物を作ることにするんだって。それを聞いた時、ぼくはとっても嬉しかったな。だって、このままだったらぼくの仲間は地球からいなくなってしまうかもしれない。けれど、こうやって、ワークショップでたくさんの人に作ってもらえたら、ぼくの仲間は地球上に確かにいるんだって思ってもらえるでしょ。ぼくみたいに一緒に旅行に連れていってくれたりしたら、一層ぼくの仲間も大切にしてもらえるような気もするよ。

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緒方さんにとっても新しいスタートになる今年のもみじ市では、シロクマくんを作るんだって。もちろんシロクマ君も、絶滅危惧種なんだよ。お手伝いにアナンダっていうお店で一緒に働いている仲間たちも参加してくれるよ。みんな手でものを作るのが大好きだから、きっと楽しいワークショップになるんじゃないかな。たくさんの人に作ってもらえたらいいな。

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<緒方伶香「ニードルパンチでつくるテノリシロクマ」ワークショップのご案内>

開催日時:
10月19日(土)11:30〜15:30
10月20日(日)11:00〜15:00

参加費:2,300円(材料費込み、当日のお支払い)

定員:材料がなくなり次第終了とさせていただきます。(各日50名程度)

 お申し込み方法:当日ブースにて直接お申し込みください。

製作所要時間:約1時間程度
※人によって大きく差が出ますことを予めご了承ください。 

【緒方伶香さんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
毎回、もみじ市では手のひらサイズの動物を羊毛フェルトで作るWORKSHOPをやってます。本来は、食べること、寝ること、映画を観ること、そして音楽を聴きながらぼんやり糸を紡いだりするのが好きなのですが、この時ばかりは、みなさんに楽しんでいただくべく、マトリックスのような早さで、みなさんの作品作りを手伝うことに集中します。

Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
白、と言えたらいいのですが、墨色です。白や黒ほどはっきりしてなくて、でも濃淡の中に幅広い寛容さがある、優しさと厳しさがある。私の色というより、私の願望です。墨の匂いも落ち着きますし。

Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
白い氷の世界に住むシロクマ。白は色のはじまりのような気がします。だから、カラフルだけど敢えて白。絶滅危惧種の第一弾として、シロクマを作ります。「もみじ市」という、どんどん大きくなっていく舞台で私も何か役に立ちたい、地球の平和を祈ってみんなで作りたいという気持ちです。他にも、白をはじめ、いつものカラフルな手紡ぎ糸やフェルト小物を持って行きます。2年ぶりのもみじ市、どんな色になるのか、楽しみです。

Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!

続いてご紹介するのは、遠くニセコの地からやってくるあのお店。羊蹄山の透き通るような湧き水と厳選された食材のベーグルを届けてくれます!

文●藤枝大裕