café tojo(カフェ・トホ)「自家製天然酵母パンとスイーツ、スープ」

「青木さんからはじまって、次はイボンヌさん、そしてウーさん、4代目はエノモトエミリさん、5代目は小野田さん」

これ、何の話だかわかりますか? これらはすべて「café tojo」(カフェ・トホ)さんが歴代育ててきた天然酵母に付けられた名前なのです。

「カフェトホといえば天然酵母のパン」と思い浮かべる方も多いと思いますが、お話を聞いてみると、はじめは意外にもドライイーストのパンを焼いていたとのこと。それが天然酵母のパンへと移行していったのは、東條モニカさんが長女桃花ちゃんを出産した際の助産師さんとの出会いがきっかけ。お世話になった助産師さんがかつて静岡に住んでいた時にパン屋を営んでいた方で、「酵母菌を育てるのは子育てと一緒よ、ご主人むいてそうだからやってみたら?」と言われたことがきっかけで天然酵母を用いてパンを作るようになったのだそうです。

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東條さんは「どちらかというと天然酵母のパンは硬くて酸っぱいという印象を持っていた」のですが、試行錯誤しながらパン作りをつづけていく中で、酵母の種類や配合、発酵の状態をコントロールすることで酸っぱくないパンを作ることができるようになったといいます。

酵母菌を育てはじめて、「あ」の「青木さん」から順番に50音順に名前をつけていて、今育てている1番新しい酵母には「し」ではじまる名前の(巨峰酵母の)「シューベルト」と名付けられました。単純にいついつ作った酵母というと記憶に残らないけれど、酵母に毎回名前を付けることで「オノダさんはあのときこうだったよね~」と今でも当時の酵母菌の状態、パンの出来上がりの状態を思い出すことができるそうです。

「『元気か?』と毎日声を掛けて、天然酵母を育てています。毎日変化するので、思うようには行かない。手を掛けすぎてもいけなくて、本当に子供のようでかわいいんですよ」

こう笑顔で話すのは、アフロヘアーの東條吉和さん。吉和さんの手は大きくてあたたかいので、天然酵母のパン生地を捏ねるのにぴったりだそう。

天然酵母のパン以外に、もうひとつの看板メニューである「トホブレンド」の珈琲のドリップも、吉和さんの担当。吉和さんだけが提供できるので、吉和さんのいる時の珈琲の看板は表の「炭火焙煎深煎珈琲トホブレンドあり〼。」いない時は裏の「店主不在のためトホブレンドはありません。」にして、道を通るお客さんに知らせているとのこと。

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珈琲の提供有無を伝えるかわいい手描きの看板は、知人のイラストレーターさんが描いてくれたもの。そのイラストレーターさんは、家族で通う銭湯でこどもたちが仲良くなったことがきっかけで、お店に遊びに来てくれるようになったのだそう。こんなエピソードを伺うと、カフェトホさんはこうやって人との縁の中でゆるやかに導かれて、少しずつ変化しながら、素敵なお店を続けていくんだろうな、とこちらも幸せな気分をお裾分けしてもらったような気持ちになりました。

今回のもみじ市には、東條さんご夫婦、桃花ちゃん、月之助くん、生後6ヶ月の桜ちゃんの家族5人全員で元気に参加してくれます。ライ麦パンとスープがセットになった「ハンカチランチ」、ダークチェリーとダークチョコの入った「黒い森のチーズケーキ」、吉和さんが丁寧にドリップして提供する「トホブレンド」のコーヒーなどを、ご用意していただける予定です。もう一種類、「三日間がかりで作る天然酵母のバターケーキ」は味が変化していくので持ち帰って少しずつ食べてもらうのがオススメとのこと。トーストして食べるのもおいしいということなので、もみじ市が終わってからも楽しみが続きそうなのはうれしいですね。 

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【café tojo 東條吉和さん、モニカさんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
笹塚にある自家製天然酵母手ごねパンと炭火焙煎珈琲のお店café tojo(カフェ・トホ)です。

Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
お店を象徴する色は黒とグリーンです。「黒」はお店の躯体や螺旋階段に使われている鉄の黒。「グリーン」はお客様からは見えないところにあうのですが厨房に敷かれているゴムがゴルフグリーンと言われるきれいな緑色でふたつがテーマカラーになっています。 

Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
スープとライ麦パンのセットを「ハンカチランチ」としてご用意します。40センチ四方のお好きなハンカチや手ぬぐいなどを持ってきていただけると包んでお渡しします。キレイな色のハンカチで包んでカラフルハンカチランチになったらたのしいですね。

Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!

「表現方法にこだわらず何でも創ってみるをモットーに活動中」。続いては、“世界”をも魅了するあの人の登場です!

文●尾崎博一