今年の夏、Sunday Bake Shopは2カ月という長い夏休みをとりました。その間、店主の嶋崎かづこさんが何をしていたかというと……
東京は初台。日曜日にしか開かないお菓子屋さん、その名も「Sunday Bake Shop」の前には、朝9時のオープン前だというのに、店頭にはお客さんがずらり。近所の顔なじみさん、ジョギング中のおじさん、お母さんといっしょに来た子供たち、ずっと来たかったんですという乙女たち。みんなが待ち遠しかった日曜日を迎えて、ワクワクしながらやって来ます。
それもそのはず、小さなお店に一歩足を踏み入れると、そこに並ぶのは、世にもおいしそうな焼き菓子の数々! オリジナルスコーン、えだまめのスコーン、イギリスの全粒粉とレーズンのスコーン、トリプルチョコレートブラウニー、ナッツのブラウニー、スペシャルビクトリアスポンジ、バニラチーズケーキ、チョコレートレイヤーケーキ、キャロットケーキ、ローステッドバナナケーキ、ブラムリーアップルのフラップジャックストレイベイク、上がじゃりっとしたレモンのケーキ、上がじゃりっとしたオレンジとクランベリーのケーキ、コーンミールアーモンドブレッド、ネクタリンとアーモンドのケーキ、ライ麦とちょっとのヤギのケーキ、新しょうがのケーキ、ライ麦とプルーンのクランブルケーキ、ベリーとブラムリーアップルとスペルト小麦のクランブルケーキ……
私のお気に入りは、上がじゃりっとしたレモンのケーキ。あの甘酸っぱいレモンの味と、上に乗ったじゃりっとした食感の砂糖がたまらないのです。一度食べれば、あなたもきっと恋に落ちるはず。
もうひとつのお気に入りはスコーン。初めて食べたときの衝撃は、今でも忘れられません。私はSunday Bake Shopのスコーンを食べるまで、スコーンがこんなにおいしいものとは知りませんでした。それまでは、なんとなく固くてぼそぼそしているもの、というイメージがあったのですが、Sunday Bake Shopのスコーンは全然違うのです。しっとりして、やさしくて、一口食べただけで幸せが……ああ、食べたい……。
嶋崎さんがお菓子を作る上で心掛けていることはひとつ。“楽しむこと”。好きな音楽をかけたり、食べてる人を想像しながら作ると、作る方も楽しくなって、きっとそれがお菓子の調味料となって、おいしくなってしまうのです。だから、嶋崎さんの作るお菓子は、いつもにこにこ笑っているよう。おいしそうなのはもちろん、楽しそうなのです。
「お菓子があると、みんな仲良くなれるんです。これってとても素晴らしいこと!」
そういう嶋崎さんもにこにこ。そう言えば私、笑顔ではない嶋崎さんに会ったことがありません。
今年の夏、嶋崎さんは、2カ月間イギリスを旅しました。焼きっぱなしの大きなケーキをざくざく切って、大きなポットにたっぷりいれたお茶でティータイム。イギリスの田舎町で見られるそんな風景が、嶋崎さんが提供したいお菓子や時間のイメージにぴったりなのだそう。それを見たくて、毎年のようにイギリスに行っています。
今回の旅で、最も印象に残ったのが「丘の上でのピクニック」。陽が傾き始めると、ワインのボトルとグラスを持って、サンドイッチやサラダ、ケーキ、パン、ディップをみんなで持ち寄って、ピクニック。とてもとても楽しかったそうです。
私たちにとって嬉しいことは、嶋崎さんのイギリスでの記憶が覚めやらないうちに、もみじ市があるということ。今回もみじ市でSunday Bake Shopは、イギリスでの楽しい記憶を再現するべく、「週末ピクニック屋」を開いてくれます! 持って来てくれるのは、ピクニックにぴったりなスコーンやブラウニー、私の好きなレモンのケーキに季節の果物を使ったいろいろな焼き菓子、それからスコーンのサンドイッチ。え? スコーンに何かが挟まっているんですか? これ以上は聞かないようにしましょう。それは、もみじ市当日、Sunday Bake Shopのお店に来てくれた人だけが知ることができる特権です。
青空の下、心地よい秋風を感じながら、芝生でピクニックはいかがですか? お供にはもちろん、Sunday Bake Shopの焼き菓子を携えて。
【Sunday Bake Shop 嶋崎かづこさんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
Sunday Bake Shop、東京初台の日曜日のおかし屋です。
Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
お店の色はうすみどり色です(緑と青の中でおかしを食べるのが好きです)。
Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
今回はピクニックをうちのテーマにしました。
河川敷でピクニックしたくなるようなおかしを、ちょっとしょっぱいものが欲しい人にも甘くいたい人にもたのしんでいただけるように、用意していく予定です。
うちのおかしは地味なのですが、くだものなどの力を借りてカラフルにしていけたらな、って思っています。
いつもは日曜日だけですが、もみじ市では土曜日、日曜日とはりきってオープンしますので、しきもの持ってぜひいらしてください!
Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!
さて、続いては福島からやってくるあの果樹園。色とりどりの果物をたくさん積んでもみじ市へやってきます!
文●鈴木静華