大図まこと「大図まことの飛び出せ! 青空手芸&工作教室」

「アイディア」

手紙舎 2nd STORYの雑貨店で働く私が、いつも探しているものだ。空を見上げては降ってこないか、目を向けた視線の先に落ちていないか。そんな私が、もみじ市の取材で彼に会いに行き、大切なことに気づかされた。

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クロスステッチデザイナーとして、多くの著書を持つ大図まことさん。メディアで取り上げられることも多く、人気セレクトショップとコラボした作品も数多く手がけています。大図さんは今年の春、若手のクリエイターが集まる「台東デザイナーズビレッジ」から、物作りの街として知られる浅草に事務所を移しました。新しい事務所の窓から見えるのは、自立式鉄塔として世界一の高さを誇る東京スカイツリー。部屋の中には、所狭しと並べられた“カラフル”な作品たち。オブジェ、時計、アクセサリー、陶器…そこを何かに例えるなら「おもちゃ箱」だ。手に取りたくなる、いつまでも見ていたい、触れていたい、そんな好奇心をくすぶられる作品の数々。大図さんはそんな“刺激的な”空間で、さらなるアイディアと作品を生み出し続けている。

「クロスステッチデザイナーとして活動される前は、何をされていたんですか。服飾とかデザイン関係のお仕事ですか」

私の質問に大図さんは、ニコニコしながら答えてくれました。

「酒屋です。友人からは、それが一番似合っていたって言われるんですけどね」

思っていた答えとあまりにもかけ離れていて思わず拍子抜けしてしまった。酒屋で働いていた大図さんが、一体どういう経緯でクロスステッチの世界に進むことになったのか。

「あの頃、時間がたくさんあったんです。何かを始めたいと思っていたら、友人のカメラマンが担当した手芸の書籍をプレゼントしてくれました。その本を見ていたら、自分でもできるんじゃないか、って思ったんですよね。実際、やり始めたら楽しくって。最初は刺繍ではなくて編み物でした。ニット帽を作ったんです。自分で言うのもなんですが、なかなかの出来でしたよ。それから、編み物以外の手芸を試すようになりました。その中で、自分がいちばん夢中になれたのがクロスステッチだったんです」

大図さんが、各方面で注目されるようになったのはひょんなことから。

「手芸を始めた頃、ブログブームだったんです。自分のブログに作品をアップしていたら、男性なのに手芸!? と評判になり、イベントの主催者や出版者の方から声をかけてもらうようになりました」

人生何が起こるかわかならない。「行動」と「タイミング」がちょうど交差した時、自分でも想像していなかった“何か”が訪れる。手芸界のルーキーは、こんな風にしてチャンスをつかみ取ったのだ。

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「自分が好きなものを作品にしています。ゲームのキャラクター、昆虫、名画…」

大図さんの作品は、一般的には手芸で描かれることがないものばかりだ。とはいえ、斬新なモチーフということではない。見たことのある、馴染みのあるものをクロスステッチという手法で描くことで、新しい表現を私たちに見せてくれる。それがとても面白い。

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「今、いろんなことに興味があるんです。趣味でドット絵を書いていたので、そういうものも作品に生かしています」

大図さんの表現は今や、クロスステッチだけにとどまらない。大図さんが描いたドット絵が陶器になったり、アクセサリーになったり…。

「アイディアを出すのは得意だと思います。何かを考える時にベースとなるのは、やっぱりクロスステッチですが、応用すれば違う形になっていく。展示会やイベントで出会った人に『こういう作品を作りたいんです』と相談したり、クロスステッチではない、別のものを作っている方の話を聞いたり、見にいったりしています。そうすることでまた新しいアイディアと作品が生まれるんです」

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さて、もみじ市では毎回大人気の大図さんのワークショップ。今回はなんと、2つのワークショップを行ってくれる予定。まずは2年前に開催されたもみじ市で大好評だった、水にも衝撃にも弱い、毛糸の腕時計「Knit-SHOCK!!」作り。

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もうひとつは、「パンチドットのカラフルキーホルダー」作り。針を使わず、簡単にクロスステッチが表現できる新たな工作だ。

「事務用パンチで穴を開けたときにできる丸い紙を使って、あらゆるモチーフを表現するんです。図案も約50種類考えました!」

子供はもちろん、手芸が苦手という人も楽しめるワークショップ。大図さんの「アイディア」は、作品だけでなくワークショップにも変化をもたらしている。

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冒頭で書いたように、大図さんは今たくさんの仕事をかかえている。自身の書籍の出版準備や、雑誌で掲載する制作物、そしてもみじ市の準備…めまぐるしい毎日を送っているはずなのに、その表情はとても生き生きとしている。

ものづくりをとびっきり楽しむこと。
型にはまらないこと。
自分の“好き”を信じること。

「アイディア」が溢れる場所は、自分の内側にこそあるのだ。


大図まこと「大図まことの飛び出せ! 青空手芸&工作教室」概要

<刺しゅうで作る毛糸の腕時計「Knit-SHOCK!!」を作ろう!>
開催日時:
① 10月19日(土)13:00〜15:00
定員に達しましたので、受付を締め切らせていただきました。お申し込みありがとうございました。
② 10月20日(日)13:00〜15:00
定員に達しましたので、受付を締め切らせていただきました。お申し込みありがとうございました。
参加費:2500円(当日のお支払い)
定員:各回10名(事前お申し込み制)
お申し込み方法:件名を「大図まことワークショップ申し込み」とし、ご希望の日時、人数、お名前、お電話番号、メールアドレスを明記の上、【workshop01@momijiichi.com】へメールでご連絡ください。
お申し込み開始日:定員に達しましたので、受付を締め切らせていただきました。お申し込みありがとうございました。

<事務用パンチを使ってカラフルキーホルダーを作ろう!>
10月19日(土)12:00〜15:00
10月20日(日)12:00〜15:00
参加費:200円(当日のお支払い)
お申し込み方法:事前のお申し込みなしでご参加いただけます。

【大図まことさんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
こんにちは、クロスステッチデザイナーの大図まことです。今回でもみじ市は4回目の参加になると思います。「フジロック」のオファーを待つミュージシャンのように10月の週末は、毎年この日のためにスケジュールを空けています。去年は、開催がなかった分、今年は倍返しだ! 会場でお会い出来ることを楽しみにしています。

Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
緑色です。単純に好きだからです。

Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
事務用パンチを使った楽しい工作「パンチドット」と、恒例の刺繍で作る腕時計「Knit-SHOCK!!」のワークショップを行います。

物販では、刺繍グッズのほかに2年前からスタートした陶磁器ブランド「The Porcelains」の商品も販売します。どちらもPOPでカラフルな仕上がりになっているので、ぜひお立ち寄りください。

Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!

続いてご紹介するのは、ステージイベント。あの3人組がステージに登場です!

文●新居鮎美