鈴木農園+ゼルコバ「野菜と天然酵母パン」

「そう言われるのがいちばん嬉しい!」

弾むような声に振り返ると、そこにはこちらまで暖かくなるような、素敵な笑顔があった。 

わたしがこの日訪れたのは、東京都立川市にある鈴木農園。鈴木富善さん、弓恵さんご夫婦が農薬や科学肥料を使わずに、安全で安心な野菜を育てている。太陽の光をたっぷり浴びた暖かい畑の、柔らかそうな土の上で、さまざまな種類の野菜がすくすくと育っている。「はい、どうぞ」富善さんがそう言って、採りたての人参をそのまま生で食べさせてくれた。思わず「美味しい!」と言葉が出たとき、弓恵さんが冒頭のセリフを言った。

01:人参カット

畑の土のことを説明してくれるときも、野菜のことを説明してくれるときも、鈴木農園の人々は、とてもとても優しい瞳で畑を見つめる。富善さんが畑を見つめながら言った。
「同じ日に蒔いた種でも、芽が出る時間が微妙に違うんです。土をかぶせた順番に芽を出すんです。種を蒔いてから、芽がでるまでの期間は心配ですね」

鈴木農園の野菜の種は、土をかぶせられた瞬間から、その優しい眼差しを一身に受けて、たいせつに、たいせつに、手をかけて育てられる。雑草を取るのにも、「農薬を使ってしまえば簡単」なことを、ひとつひとつ手作業で行う。だからこそ「収穫の時はほんとうに嬉しい」と言う富善さんと弓恵さんの言葉は、とても説得力があるのだ。

02:直売所全景

大切に育てられ、喜びと共に収穫された野菜は鈴木農園の直売所で販売される。直売所には、「ここの野菜が大好き」という方たちがたくさんやって来て、カゴいっぱいに野菜を買ってゆく。弓恵さんは丁寧に、食べ方やお勧めの調理法を説明してくれる。遠くから買いに来る方も、1週間分を、と買って行く方も多いという。

「僕はね、いつもここの野菜だよ」
とあるお客さまが教えてくれた。その満たされた表情に、取材していた私もいろいろな野菜を食べてみたくなってしまって、その日の夜ごはん用に、何種類か野菜を抱えて帰えった。鈴木農園の野菜をいただき、納得した。これは、来週も買いに行きたい。私の家からは少し遠いけれど、“いつも”ここで買いたい、と。

03:直売所

野菜は、食べてしまうと物体としての形は残らない。それでも、食べる、ということは、体を作る、ということ。安全で安心な野菜は食べた人の中に、栄養となって残ってゆく。野菜が作られた時間、そして手間と愛情は、食べた人の「美味しい」という喜びとなって残ってゆく。素晴らしい野菜は、それを食した人の体と笑顔を作るのだ。

「こどもが美味しいって言ってくれるのはほんとうに嬉しいですね」
と笑顔の富善さんと弓恵さん。鈴木農園が育てるような、安全で安心な野菜をこどもたちに食べて欲しいと願う。富善さんと弓恵さんのような、笑顔の人が育てる野菜を、こどもたちに食べて欲しいと願う。

04:鈴木さんご夫妻笑顔カット 

さあみなさん、作り手の暖かい眼差しがたっぷり注がれた、鈴木農園の野菜がもみじ市にやってきます。富善さんと弓恵さんがたくさんの野菜を持って、多摩川河川敷にやって来ます。自らの手で野菜を育てる人が、自らの手で野菜を販売するということ。それをいただくということ。その喜びを、ぜひみなさんにも味わって欲しいと思います。

05:鈴木農園の皆様

そしてなんと、今回のもみじ市では、鈴木農園と同じ敷地内にあるパン屋さん「ゼルコバ」(ご家族が営んでいます)からもパンが届きますよ。パン好きの間では全国的に知られるゼルコバの天然酵母のパン。こちらもどうぞお見逃しなく。

06:ゼルコバ全景

07:ゼルコバ

【鈴木農園+ゼルコバ 鈴木富善さんと弓恵さんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
こんにちは、立川市の鈴木農園と申します。私たちは今回のもみじ市で、お客様が安心して、そして自然と笑顔があふれるお野菜をお持ちして販売いたします。

私たちは皆さまにお会いできるのを楽しみにお待ちしております。カラフルなお野菜をたくさんお持ちしますので、どうぞよろしくお願いいたします。そして、ゼルコバのパンもお楽しみにー!!

Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
ぼくは明るい色が好きなので蛍光色、ビビットなピンクです。(富善さん)

みどりです。自然に有るような濃い緑が好きです。(弓恵さん)

Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
野菜自体がとてもカラフルです。今回も多くのカラフルな野菜をお持ちします! 特に人参は、オレンジだけだった色が、毎年品種が増えてきて、黄色なども加わり、とてもカラフルです!

Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!

さて、続いてご紹介するのは、着物姿がよく似合うあの方です。“和”をテーマにした手作りの石鹸が並びますよ

文●鳥田千春