hokuri「青空ネイル」

何だかとてもわくわくする日。念入りにスキンケアをして。新しいシャンプーの香りに鼻を寄せる。伸びかけの髪をアップにして。明るい色の服をおろす。ヒールの高い靴を選んでみた。うん。今日の私、悪くない。女の子の楽しみ。自分を飾ること。私が好きな私になること。窓から見えるのは限りない青空。さあ、今日は何色のネイルを塗って出かけようか。

「体のパーツで、爪だけじゃないかなと思うんですよね。自分のためにきれいにして、それを自分がすみずみまで見られるという場所は」

私の爪に筆を落としながら、上間さんは言う。なるほど、と片手を差し出しながら納得する。今日、私は人生初のジェルネイルを体験している。私がいるのはhokuri。上間美絵さんがひとりで営むネイルサロンだ。

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上間さんが作るネイルを初めて見たとき、こんな表現もあるのかと驚いた。それまで私がネイルアートに対して抱いていたイメージは、ラメとかでキラキラしていて、色は赤とかピンクとか白で、グラデになってたりもして、とにかくすごく女っぽいやつだったから。それはもちろん可愛いのだけれど、私の好きな可愛いとは違っていて。それに自分の爪は丸くて小さいし、ネイルをしても映えないんだろうなという諦めもあって。だから興味はあっても、「やっぱり違う」と思っていた。

「”女であるための爪”はたくさんあるけれど、他がないなと思ったんです。色んなタイプの女の人がいるのだから、私と似たタイプ、私と意気投合してくれる女性が来てくれるサロンがあってもいいと思って」

ネイルの学校に通っていたころ、似たような傾向のデザインサンプルしかないことに疑問を抱いていたという上間さん。サロン、エステ勤務を経験し、縁があってバーでの出張ネイルを始めることに。仕事帰りにバーに立ち寄る女性の爪の手入れをし、様々な話に耳を傾けながら色を塗る。普段は出会えないような人たちとの時間の交差に面白さを感じながら、さらに自分の思うネイルを形にしていくため、2009年の冬に荻窪にお店をオープンした。

「お店を出して、前より生きやすくなりましたね」 

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まる、さんかく、しかく。あお、きいろ、みどり。今まで見たことのない形と色の組み合わせが、爪に描かれている。メタリックカラーやラメも、上間さんが使うとレトロになったりポップになったり、思いもよらない表情を見せてくれる。アクリル絵の具で描かれる絵本のような世界。そのどれもが、一点もののオリジナルだ。あえて、デザインサンプルは作らず、ケアをしている間に過去のデザインを見ながら、お客さんの希望を汲み取っていく。だから、出来上がるのは自分のためだけのネイルだ。

「本当は控えめなデザインのつもりだったのに、色を載せてみたら何だかうれしくなってきちゃって。”もうちょっといっちゃいますか!” みたいに言って下さるのが、”みんな女だな~” と思って面白いです。ネイルが仕上がった後、みなさんが笑顔で帰られるのを見るのが一番ですね」

小学生3年生のころ、立て筋の多い自分の爪が気になり、爪みがきセット(クリームと鹿革)を買ってみがいたところ、そのつるりとした触り心地に「わあ!つるっとする!」と感激した。その後、緊張したときや焦ったときに、つるつるの爪を触ると心が落ち着くようになり「つるつるだとうれしい」と思った。上間さんがネイルに興味を持ったのは ”飾ることへの憧れ” ではなく ”自分がうれしいから” という理由だった。

「ここに来る方の中には ”全部は伝わらないって諦めて、今までネイルサロンに通っていたんです” と仰る方が多いんです。それを聞いた時にすごいびっくりして。お金を払って行くところに、最初から諦めた気持ちで行くところなんてあるんだ! って思って。私でよければがんばります、という気持ちになりました」

自分のために塗られるネイル。それは、自分の魅力をアピールするためのネイルとはちょっと違う。自分がうれしくなったり、気持ちが奮い立ったり、自信を確認したりするためのネイル。上間さんが施してくれるのは、そんなネイルだ。

上間さんと話しているうちに、人生初めてのジェルネイルは仕上がった。いつもとは違った指先を見て、少しどきどきした。帰り道、気がつくとずっと爪を見ていた。触ってみたり、手を広げてみたり。きっと、顔はにやついていただろう。ああ、私はうれしいんだなと思った。つるつるで、かわいくて、私の好きな、爪だから。

さあ、hokuriがもみじ市に初参戦です。ポリッシュ(マニキュア)とジェル両方のメニューを用意して。今回のために考えてくれたのは、可愛くて見ているだけでわくわくする、もみじ市オリジナルのデザイン。施術内容も特別バージョン。時間を短縮し、お得なお値段で爪をカラフルに彩ってくれます!

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普段からネイルサロンに通っているという方はもちろん、初めての方もぜひ、上間さんのネイルを体験してみてください。仕上がったとたん、触ってにやにや、眺めてうふふと、うれしさに包まれること間違いなしです。さあ、カラフルな両手を広げて、多摩川河川敷を闊歩しましょう!

hokuri「青空ネイル」のご案内

開催日時:
10月19日(土)11:00〜15:30
10月20日(日)10:30〜15:00

参加費:
・ポリッシュ(爪の整形、アート)¥3,500-
・ジェル(爪の整形、アート)¥7,500-

お申し込み方法:当日先着順に整理券を配布いたします。(整理券分が終わり次第、その場で随時お申し込みいただけます)

所要時間:約30分(メニュー、爪の状態により前後します)

※自爪(マニキュアやジェルがついていない状態)でのご来場をお願いします。

※ジェルネイルは、落とす際も施術が必要となります。また、つけている間は爪を切ることが難しくなってしまうことをご了承ください。

【hokuri 上間美絵さんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
ネイルサロンhokuri(ホクリ)です。爪が仕上がったあとの嬉しい気持ちを音にしたら、という店名です。多摩川で青空のもと、お客様のホクリとした笑顔と出会える事を楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします!

Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
透明にあこがれるレモンイエローです。

Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
アクリル絵の具を使ってにぎやかな爪に仕上げます。ポリッシュ(マニキュア)とジェルメニューで3デザイン6パターンご用意します。お仕事や日常に戻ってからもカラフルな爪をながめて、楽しい気持ちが続いたらいいなと思っています。

Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!

さて、続いてご紹介するのは、大人気のあのキャラクターとお菓子屋さんのコラボレーション。どうぞお見逃しなく!

文●吉田茜

マールコ「マエガミマールコ」

前髪がのびて重くなってきた。そろそろかな? そんなふうに、いつも私は「マールコ」に出かけます。

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マールコは、穏やかな日差しが差し込むマンションの一室にそっとたたずむ、代官山のちいさな美容室。お店を営むのは、店主のしょうたさん。2008年9月にオープンし、今年で6年目を迎えます。私がはじめてマールコを訪れたのは、今から2年半ほど前。冬も終わりのころで、すこしあたたかい日だったことを憶えています。

じつはマールコに出会うまでは、同じ美容室に長く通ったことがあまりなく、いろいろなお店へ足を運んでは転々としていました。もしかしたら、美容室という空間がすこし苦手だったのかもしれません。にぎやかなフロア、華やかな会話、なんだか気の休まらない感じというか…。

でも美容室で過ごす時間というのは、ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、のびた髪を切ってさっぱりするということだけではなく、心を整えるひとときでもある、と思うのです。マールコに通いはじめてから、そんなふうに感じるようになりました。

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お店を訪れると、いつも変わらない笑顔で迎えてくれるしょうたさん。

「こんにちは。今日はどうしますか?」

そんな調子で始まります。茶色の椅子に深く腰をかけて、背筋をまっすぐにのばすと、とてもリラックスした気分になります。

「今回はどのぐらい髪を切ろうかな?」

「前回イメージを変えた髪の色は少しなじんできただろうか?」

「よく見ると、1カ月のあいだにずいぶん日焼けしてしまったような……?」

「この間はお互いの仕事の話をしたけれど、あれから自分は何か変わっただろうか……?」

マールコの大きな鏡の前に座ってしょうたさんとお話ししていると、ふだんは気がつかなかった自分自身に気がついたり、いつもは思い過ごしてしまうようなことをなぜかふと考えたり。不思議と自分自身と向き合い、ゆっくりと考える時間になるのです。

ときには、どんな髪型にしたいか、自分でわからなくなることもあります。そんなときは、

「似合う髪型というのは、その時の気分や表情で変わることもありますよ。持って生まれた顔つきにその髪型が似合うかどうかというよりも、その人の今の気分や、笑顔かどうか、そういったことが大きいんじゃないかな」

しょうたさんはさりげない会話をしながら雰囲気を感じとってくれて、髪の色、長さなどを、すこしずつ“今の自分”らしいと思えるイメージに近づけていってくれる。そんな自然な気遣いが、髪型だけでなく、心までそっと整えてくれるのかもしれません。

 前回のもみじ市では、ヘアアレンジをいつもと違うスタイルにしてもらえるという、「アレンジサロン 青空マールコ」をオープンしてくださったしょうたさん。 2回目 の参加となる今回は、なんと前髪をつくる専門店、その名も「マエガミマールコ」をオープンしてくださることに!

「みんな視界良好にして、世の中を明るく見渡してもらえたらいいな、って。だから、大人もこどもも前髪をつくって、もみじ市を歩いてもらいたいんです」

そう、マールコに出かけるのは、ただ前髪がのびて重くなったからだけではなく。毎日を過ごしていくなかで、見えづらくなりがちな未来のありかを確認したいからであって。そんなわけで、男性も女性も、もちろんちびっこたちもご遠慮なく!  前髪をつくって視界良好にして、もみじ市を、そしてふだんの毎日を颯爽と歩いてみませんか? しょうたさんが、うんとかわいく、かっこよくしてくれちゃいますよ。ご来店、お待ちしています!

【マールコ しょうたさんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
代官山にあるプライベートサロンマールコです。今回で二度目の参加になります。よろしくお願いします!

Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
白です。染まりやすいから…

Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
前髪のヘアカットをします。今までにない自分を発見して下さい!演出等は考え中です。

Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!

さて、5組目にご紹介するのは、福島のあのパン屋さん。食べる人への想いが詰まったたくさんのパンをご用意してくれています。

文●増田千夏