「ものづくり人が集う、世界一のイベントにしよう」
そんな掛け声とともに、半年前に準備がスタートした今年のもみじ市。“世界一”という言葉は、人によってはまったくの冗談に聞こえるかもしれません。でも、今年のもみじ市は一味も二味も違います。“日本一”を越えたイベントになるのでは……。なんと9回目の開催となる今回、初めて海外からゲストがやってきます!
彼の名前は、ウィスット・ポンニミット。タイ・バンコク在住のマンガ家・アニメーションアーティストです。日本では「タムくん」の愛称で親しまれています。1998年にタイでマンガ家としてデビューした後、2003年から3年間日本に留学。彼の描くマンガが単行本として2004年より日本でも出版され、「SAKEROCK」や「くるり」といった著名なミュージシャンのプロモーションビデオやアートワークも手掛けています。
タムくんの描くマンガには、“こども”の自分と“大人”の自分、どちらにも響く不思議な力があります。初めて彼の作品に触れたのは、『月刊IKKI』というマンガ誌で連載されていた『ブランコ』という作品。だれかの傷を自分に移して治したり、過去の記憶を見ることができたり、不思議な力をもつ「ブランコ」という少女が主人公のお話です。家族や恋人、宇宙人や記憶を預かる不思議なおばちゃんなど、ユニークなキャラクターとともに主人公が時を越え、宇宙を越えて生きる壮大なストーリー。こんな風に書くとファンタジーばかりの物語に聞こえるかもしれません。確かに、未来の街やタイムマシーン、ビームの出るタバコ、魔法のような主人公の力に子ども心がドキドキします。でも、それだけではありません。彼の描くストーリーや、登場するキャラクターたちが体験する世界、彼らがそこで感じる思いやそこから溢れ出る言葉には、現実に大人として生きる自分たちへのメッセージが詰まっています。たとえばこの作品では、まさに「ブランコ」のような人生が主題となっています。振り返りたくない過去の記憶を消したり、望まない未来をいろんなものを犠牲にして変えようとしたり。過去と未来、それぞれに振り回されてなかなか上手くいかない主人公たちですが、最後に主人公・ブランコがこんな風に思うのです。
「現在に、今だけじゃなくて昔と将来も重なってる。ブランコに乗るみたいに、昔の懐かしいことを思ったり、夢のある将来を思ったり。ブランコは揺れて楽しい。楽しくて、また揺らしたくなる…。私達はいつから揺れてきたのかな。私達はいつまで揺れていくのかな。いつかそこから降りられて、平和な気持ちになれるといいな」
今生きているその時間を大切にしたい、そこで一緒に生きる人との幸せを願いたい。それは、ブランコをたくさん漕いできた大人の皆さんだからこそ、きっと感じられるメッセージです。
家族や友人、恋人同士など、人のつながりが描かれた日本のマンガにも影響を受け、自身もそうした関係や人となりを好んで描くというタムくん。そんな“人”好きな彼の個性が光る活動が行われています。東京・渋谷のギャラリー「SUNDAY ISSUE」とのコラボレーションで行っている「Myday Portrait 2013」というオンラインの似顔絵プロジェクト。Skypeや写真を使って、バンコクにいるタムくんが日本にいる人の似顔絵を描くのです。
今回のもみじ市ではなんと、タムくんがバンコクから、多摩川河川敷にやって来ます(本物ですよ!)。「タムくんの青空似顔絵」と題して限定16組で似顔絵イベントを行ってくれます! タムくんは「似顔絵を描いていると、描かれる方は笑ってくれる。うれしい」といいます。家族で、恋人と、友だちと、ぜひご参加ください。もちろんおひとりでも大丈夫。あなたのとびきりの笑顔を、タムくんがきっと描いてくれます。
<ウィスット・ポンニミット「タムくんの青空似顔絵」のご案内>
開催日時:
10月19日(土) ①11:30~12:30(4組) ②13:00~14:00(4組) ③14:00~15:00(4組) ④15:00~16:00(4組)
定員:各回4組(事前お申し込み制)
お申し込み方法:件名を「タムくん似顔絵イベント申し込み」とし、ご希望の時間帯、人数、お名前、お電話番号、メールアドレスを明記の上、【workshop06 @momijiichi.com】へメールでご連絡ください。
お申し込み開始日: 定員に達しましたため受付を締め切らせていただきました。たくさんのお申し込みありがとうございました!
参加費:
1名様 4,500円
2名様 8,000円
3名様 10,000円
*幼児は1名様まで無料です
*すべて1枚に描く場合の参加費です
*ご予約のキャンセルはお受けいたしかねますので、予めご了承の上お申し込みください
所要時間:1組 約15分
【タムくんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
タイ人のマンガ家です。日本にも住んでいたことがあります。マンガを描いたり、アニメーションつくったり、音楽の活動をしています。今回は似顔絵屋さんをやります。似顔絵屋はタイでも日本でもずっとやっていて、プレッシャーがなくていい。みなさんもゆっくりした気持ちで来てくださいね。あとマムアンちゃんっていうキャラクターかいたりしていて、そのマムアンちゃんのグッズをいろいろつくってるので、今回はグッズを売ったりもします。
Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
あまりこの色っていうのはないかな。好きな色は、ぼくのキャラクターに「したくん」っていうのがいるんだけど、そのボディースーツの色の緑かなあ。ぼく自身は透明な感じでいて、みんなのいろんな色感じれたらいいなあと思ってます。
Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
もみじ市でみなさんの似顔絵をかけるの楽しみにしてます。「カラフル」というと似顔絵をカラフルに描くしかない!
Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!
さて、続いてご紹介するのは、異なる分野で活躍する4人の女性が結成したあのアウトドアユニットです!
文●柿本康治