黒澤洋行「ハチのマークの革製品KUROSAWA」

一匹のハチが、そっとバッグにとまっている。立体的にふくれあがった胴体に、つやっとした羽根。まるで本物のハチのよう。

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鹿革の糸で丁寧に刺繍されたハチのマーク。それが、黒澤洋行さんの作品の目印です。黒澤さんが革の世界に入ったきっかけは、自分のオートバイのシートを直したことが始まりでした。「どうやって作っているんだろう」と革の奥深さにどんどん興味が湧いたそう。その後、革製品を制作する会社に13年間勤務し、2008年に独立。東京から千葉に工房を移して現在3年目。工房の大きな窓から見える、緑が豊かな景色が好きだそうです。

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糸を通す穴を一つずつ開け、一針一針、すべて手作業。牛や山羊、羊、鹿などの革を使い分け、バッグやお財布、ポーチ、ふでばこ、ベビーシューズなどを制作しています。

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中でもベビーシューズは、黒澤さんの人気作品のひとつ。きれいな色に染められた革を使って、さまざまな作品を制作しています。水玉柄や魚の群れ、ひまわり、白くま、うま、うさぎ、白鳥、ねこ、ちょうちょう。その色使いと、愛らしい表情といったら…。

黒澤さんが初めて作った作品は、家族のためのものでした。ベビーシューズも、娘さんのために作ったのがきっかけ。娘さんも喜んでくれて、周囲の評判も良かったことから定番商品になりました。保育園に通う息子さんの手には、白くまがついた革のバッグ。身近な人のために作る、それはものづくりの原点かもしれません。

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7歳になる娘さんが小さい頃に履いていたベビーシューズを見せてもらいました。お花にハチがとまったベビーシューズは、しっかりと履き込まれ、革独特の使用感がありました。革だからこその味わい。小さな傷や手あかなどもすべて溶け込んで、時間が作り上げた、趣のある佇まい。大きくなった娘さんがこれを見たときに、きっと宝物を見つけたような気持ちになるのではないでしょうか。

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ハチのついたバッグの裏にはてんとう虫がいたり、ポーチを開けると白鳥の顔が出てきたり、ポーチの先端から象の鼻が出ていたり。黒澤さんの作品にはあちこちに楽しい仕掛けがあります。いつもニコニコ、笑顔で話してくれる黒澤さんの人柄が、そこには表れているよう。

「できるだけ直接お客さまに会ってお話したいんです」

私が初めて黒澤さんにお会いしたのは、あるクラフトイベントでした。作品がずらっと並ぶ中、黒澤さんが、穏やかに、ニコニコした表情で座っていたのをよくおぼえています。作品のことを聞くと、とても丁寧に教えてくださいました。

黒澤さんの作品は、どこでも手に入るものではありません。個展やイベントで直接見て購入できますが、基本的には受注生産。そんな黒澤さんが、今年のもみじ市に初出店し、たくさんの作品を持ってきてくれます。

使うほどに馴染んでいく風合いと柔らかさ、優しくあたたかい肌触り、しっかりとした厚み、匂い。私たちにとって、革のバッグやお財布は、ちょっと特別なもの。大切に味わいたい革のものを探しに、緑が広がる河川敷にある、黒澤さんのお店にぜひいらしてください。きっと黒澤さんは、いつものように、笑顔でみなさんを迎えてくれるはずです。 

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【黒澤洋行さんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
ハチのマークが目印の革製品を作っています。黒澤と申します。今年初めてもみじ市に参加させていただきます。千葉県茂原市に3年前に引っ越し、緑に囲まれた自宅兼工房で制作に取り組んでいます。

ハチはひとつ、ひとつ、手で刺繍していますのでそれぞれに表情があります。バッグにとまっていそうなミツバチです。もみじ市当日、是非ハチを手にとって見ていただけたら嬉しいです。多摩川河川敷でみなさんにお会いできるのを楽しみにしています。宜しくお願い致します。

Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
自分を色にたとえたことがなかったので難しいですが、選ぶとしたら黄色です。元気になる色だと思うからです。

Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
ベビーシューズにバッグ、小物類などです。様々な色、柄のベビーシューズがとてもカラフルだと思います。

Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!

さて、続いて紹介は、あの王子の登場です!

文●鈴木静華