bocca「陶木」

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拝啓:山口佳子さま

佳子さんと初めて挨拶をしたのは、たしかちょうど2年前、2011年もみじ市の時でした。kata kataが描いてくれたメインビジュアルの富士山を、立体にして、木でつくって持って来てくれたときでしたね。その前にも、もみじ市で何度か顔を合わせているかもしれませんが、初めてきちんと挨拶したのはあの時だったと思います。

それから、佳子さんとは頻繁に顔を合わせることになりましたね。雑貨店で使う什器をつくったり、つつじヶ丘店の机をつくったりという細かい仕事から、手紙社のふたつ目のお店である手紙舎 2nd STORYをつくるという大きな仕事まで、どんな仕事でもお任せできてしまうとても頼りになる存在です。東京蚤の市では毎回、古材を使ったワークショップを考えてくれて、普段はノコギリを握ることも無いような女性や子どもが楽しんで工作をする風景は、あのイベントの名物になりつつあるのではないでしょうか。

以前、一緒にお昼を食べていた時、「カフェをやるのが夢なんだよね」と話してくれたこと憶えていますか? 佳子さんと会うと、よくその時のことを思い出します。

2nd STORYをパートナーの前川さんとふたりでつくっている背中をみながら、いつか自分がつくるお店を思い描きながらつくってくれているのかな、なんてことを思っていました。

僕たちにとって、とても思い入れのある2nd STORYですが、佳子さんがつくってくれたカウンターは、その中でも特に僕が大好きな場所です。点灯式の日、カウンターに座って前川さんとビールを飲みながら、佳子さんが愛おしそうに座っている姿をみて、僕はなんだか心が暖かくなりました。

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今回のもみじ市では仲間である、水口比佐子さん、吉越佐知子さん、松岡良美さんと一緒に女性4人で「bocca」というユニットを結成して、出店してくださるのですよね。

水口さんは、吉越さんと一緒にフォルツァートという会社をやっていて、そこで造形の仕事だったり、陶のものを焼いていたり、お菓子を作っていたりと幅広く活動されている方でしたね。例の富士山の上に乗っているスエヒロガリーノというキャラクターをつくってくれたのも水口さんなのですよね。発泡スチロールを使って見事なまでに、kata kataの絵に描かれていたスエヒロガリーノが立体になっていて、思わずみんなで歓声を上げたものです。

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もみじ市では、水口さんと吉越さんでカラフルな陶のものをつくり、佳子さんと松岡さんで手づくりの木のものを販売したり、木工のワークショップをやったりと実にいろいろなことを企画してくれていますよね。そうだ、それとは別に、事務局からお願いしたあの件もあるんでしたね。楽しみだなぁ。

取材に訪れたとき、仲間と一緒に笑ったり、冗談を言ってる佳子さんがとても自然で、楽しそうで、印象的でした。佳子さんが心を許した仲間といる姿を見るのは初めてで、とても新鮮だったのです。そんな様子を見て、boccaはとても愉快で楽しいブースを作って、もみじ市を盛り上げてくれると確信しました。

佳子さん、いつもありがとう。お世話になっているのに普段はなかなか面と向かってお礼を伝えることもできていなかったから、こうして機会がつくれたことがうれしいです。もみじ市、楽しみにしていますね。boccaのみなさん、どうぞよろしくお願いします。

敬具

<bocca「カラフル木っ端を使った木工ワークショップ」のご案内>

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開催日時:
 10月19日(土)11:30〜15:00
 10月20日(日)11:00〜14:30

参加費:300円(当日のお支払い)
定員:材料がなくなり次第終了
お申し込み方法:事前のお申し込みなしでご参加いただけます。

【boccaのみなさんに聞きました】
Q1 もみじ市に来てくれるお客様に向けて自己紹介をお願いします。
ものづくりに興味があった私たちはそれぞれに違う分野の仕事をしてまいりました。あるとき、お互いのしたい事でコラボができたら楽しいのでは? と言う誰かの提案に皆がうなずき、数年後現実になった次第です。自分たちが楽しもう! のコラボですが気に入っていただけたら幸いです。

Q2 今回のテーマは「カラフル」ですが、あなたは何色ですか?
山口:黃色
水口:だいだい色
吉越:透明
松岡:青

Q3 今回はどんな作品をご用意してくれていますか? また「カラフル」というテーマに合わせた作品、演出などがあれば教えてください。
いろいろな木で作ったお皿や小さなイス、お膳と、陶で作った小物やオブジェを合わせて、カラフルなブースを作りたいと思ってます。
あとカラフルに色をぬった木で誰でも簡単に作れる表札や小物の工作ができるワークショップをします。

Q4 ご来場くださる皆さんにメッセージをお願いします!

さて、続いてご紹介するのは9回を重ねるもみじ市の歴史の中でも初めてとなる“漆”の作家。淡く輝く宝石のような作品が並びます。

文●藤枝大裕